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ルミナリエや北野異人館など、港町の風情があふれる神戸市を県庁所在地に持つ兵庫県。県内には姫路市の世界文化遺産の姫路城、宝塚市の宝塚歌劇団、西宮市の甲子園球場など、全国的に知名度の高いスポットがたくさん。また、神戸牛は日本三大和牛の一つで高値で取引されています。
そんな兵庫県の県民性は、港町・神戸で新しいものを取り入れてきた進取性や陽気な感覚のほか、姫路や明石の播磨地方は穏やか、一方、山深い丹波や但馬地方は内気で辛抱強く勤勉な性格を持つなど、多様性があります。
ここでは、近畿を代表する県の一つ、兵庫県のお墓や葬儀のスタイル、相場などをご紹介します。
※厚生労働省『人口動態調査』『衛生行政報告例』より「いいお墓」作成
兵庫県の死亡者数は徐々に増加しています。1990年、3万6,787名だった死亡者数は1995年、4万7,044名と5年で約1万名も増えました。これは、1995年1月の阪神・淡路大震災で6,434名が犠牲になった影響が大きいと考えられます。それから2000年は4万1,724名、2005年4万6,657名と推移して、2010年には5万名台を突破して5万1,568名を記録しました。2010年代はそのまま5万名台半ばが続いて、2017年のデータによると5万6,584名となっています。
一方、兵庫県の墓地数は2010年や2014年に大幅に減少しています。墓地数が減ってしまう原因は、大雨や台風であると考えられます。しかし、大きな自然災害がなければ、墓地数は増加することが多いです。
幕末・明治に開港した港町として発展した神戸。江戸時代から温暖な地域で栄えた姫路や明石。北に向かうと山が深く日本海側で独自の文化を発展させた但馬や丹波など、兵庫県は南北に面積が広いため多様な伝統や文化が今に伝わっています。
姫路や明石が中心の播磨地方は兵庫県でも随一の米所として古くから発展して来ました。また、明石の鯛や赤穂の塩、神戸牛や但馬牛といったグルメの名産もたくさんあります。
県内にさまざまな独自の特産や風習が残る兵庫県。葬儀のならわしやお盆の行事にもユニークな風習が見られ、他の地域では珍しいものも少なくありません。
たとえば、兵庫県の一部地域では「水焼香」という葬儀の風習があります。本来、火を使って香を焚く焼香なのになぜか水を用いるというユニークさ。兵庫県ならではの葬祭事情です。
また、京都や滋賀で盛んな地蔵盆は兵庫県でも町々で行われている夏の風物詩。お地蔵さんと子供たちを結ぶ大切な年中行事として、地域総出で毎年丁寧に行われています。
兵庫県というと神戸のイメージが強いかもしれませんが、神戸を離れるほどに同じ兵庫県とは思えない独自の景色や風習が見られる県です。
ここからは、そんな兵庫県で行われているならわしや風習をご紹介します。
葬式の途中、僧侶が読経をしている間にお焼香を行うのは、全国的によく見られる仏式葬儀のならわしです。
粗く刻んだ香木を炭団と呼ばれる火の付いた炭に数回のせて香りを出させてから合掌するというもので、葬式にはおなじみの作法。しかし、兵庫県ではこうした火を使う一般的なお焼香ではなく、水を用いた作法で行われる地域があります。
樒の葉に水をつけて、棺に向かって葉を3回振って水を振りかけるという全国的にも珍しいならわしです。仏教では水を使って空間を浄めるという意味合いがあるほか、3は仏教で聖なる数字とされているため、お焼香による供養や浄めのしきたりが兵庫県の一部地域で変化したものという説もあります。
なお、兵庫県内の火葬場では、水焼香の風習に合わせて、火によるお焼香に代えて樒と水を用意しているところも少なくありません。
京阪神を中心に関西で夏の終わりに広く行われる地蔵盆。子供たちが主役で、この日ばかりはいくら遊んでも大人たちから怒られないというユニークな風習もあって町内はどこも大変賑わいます。
地蔵盆は8月24日の地蔵菩薩の縁日の前後2日間に行われる仏教が発祥の行事です。最近は24日に近い土日に行われたり、本来2日開催のところ少子化の影響で1日のみの開催になったりと、現代の事情に合わせて変化しながら受け継がれています。
地蔵盆は、子供たちを守ってくれる地蔵菩薩のお祭りです。そのため、仏教行事なかでも珍しい子供が主役。京都や滋賀、大阪、兵庫と地域によって行事流れは多少異なりますが、子供たちはお菓子をもらって食べたり、ゲームを楽しんだり、思い思いに楽しく過ごします。
このほか、巨大な数珠を子供たちが輪になって回していくユニークな儀式は地蔵盆のハイライト。地域によって数珠繰りや数珠回し、百万遍など呼び名はさまざまですが、子供たちの輪に交じって親や地区の住民など大人も参加します。数珠繰りは地域によって廃れたところもあるようです。
ちなみに神戸の地蔵盆は、子供たちが町内の地蔵堂を巡りながら、家々で「お接待」と呼ばれるお菓子をもらう風習があります。また地域によっては、子供たちの名前入りの提灯を吊したり、地蔵盆に合わせて盆踊りを行うなど、地蔵盆以外に送り火など他の行事と合わさったところもあります。
