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約142万の人々が暮らす沖縄県は、日本の南西(最西端)に位置する亜熱帯気候の土地です。南国の土地柄のため沖縄県民は楽天的な人が多いことも特徴。また「門中(むんちゅう)」という血族をまとめる仕組みがあり、一族の連帯意識が他県に比べてかなり強く、冠婚葬祭時に集まる人数も多くなります。
沖縄県にはもともと琉球王国という独立国家が存在し、1609年ごろに江戸幕府の支配下時にも琉球王国という名前を残したまま存続していました。1872年に琉球王国を琉球藩として外務省が管轄。1879年に琉球藩が廃止され沖縄県が設置されて現在に至っています。沖縄県は琉球王国として存在していた歴史が長く、独特の文化がたくさん残っています。
沖縄県の民家の瓦屋根・建物の門・村の高台には、災いをもってくる悪霊から人や村を守るため、魔除けとしてシーサー(伝説の獣像)が設置されています。三叉路やT字路には石敢當(いしがんどう)と呼ばれる石碑や石標を設置して魔除けにしています。伝統芸能では、蛇皮を貼って作った三線が特徴的です。また、琉球王朝時代に始まった古典・琉球舞踊は赤や黄色のカラフルで色彩豊かな紅型の衣装をまとって舞います。三線の音色に合わせて太鼓を叩きながら演舞を披露するエイサーも有名です。
独特の文化がたくさんみられる沖縄県。では、お墓や葬祭事情はどうなっているのでしょうか。この記事では、沖縄県のお墓の相場や今でも残っているお墓に関する風習をご紹介します。
※厚生労働省『人口動態調査』『衛生行政報告例』より「いいお墓」作成沖縄県の死亡者数は、年々少しずつ増加しています。1990年の時点では6,469人でしたが、2010年には10,156人となり1万人を超える形となりました。以降も徐々に年間死亡者数は増えていき、2017年の死亡者数は11,945人で、1990年よりも5,000人以上も増加しています。
一方墓地数も、2000年の時点では5,038ヵ所存在していましたが、年々増加していることが分かります。2015年ごろには、10,223ヵ所の墓地数が確認され1万ヵ所を超えました。2017年の時点では墓地数が11,647ヵ所存在していることが分かります。沖縄県では、死亡者数の増加に伴い墓地数も比例して増えていることが確認できます。
ここからは、沖縄県ならではの葬祭のならわしや、お墓事情をご紹介します。沖縄県はもともと琉球王国として独立していた歴史があるため、他県ではみられないお墓や葬儀に対する考え方、風習が残っていることも多いです。沖縄県に足を運ぶと、お墓の種類がいくつかあることが分かります。そこで今回は、沖縄県でよくみるお墓の形についてご紹介します。また、一般墓の相場が高い理由にもある「なぜお墓が大きいのか」についても解説します。
さらに、ほかの地域ではあまりみられない「清明祭(しーみーさい)」という行事も紹介したいならわしです。次の項目から、沖縄県のお墓の種類・お墓が大きい理由・清明祭についてみていきましょう。
沖縄県のお墓は亀甲墓・破風墓・掘り込み墓の3つの種類に分けることができます。
17世紀ごろに中国の南部から伝来したお墓の形です。亀の甲羅のような形が特徴で女性の子宮もイメージしているとされています。「人間が亡くなったあとは、母親の子宮に帰る」ということを意味しています。亀甲墓は古い時代に士族のみが建設することを許されていたお墓ですが、沖縄県が琉球藩ではなくなったころに一般家庭にも広まりました。また、亀甲墓は多くの遺骨を納めているためお墓自体が大きいです。さらに、亀甲墓の前には祭祀をおこなうための広いスペースがあることも特徴です。
かつて琉球王国の王室が使用していたお墓の形です。破風墓の特徴は雨風を防ぐために山形の屋根がつけられており、一般的な家をイメージするようなお墓になっています。琉球の王室だけが使用を許されていましたが、明治時代の廃藩置県ころに一般家庭にも解禁され破風墓を建設する人が増えました。
砂岩層や斜面に穴を掘ってつくるお墓の形です。沖縄県のお墓のルーツともいえるタイプで、入り口は石や漆喰で埋めていたことが特徴でした。シンプルな作りなのでしっかりとしたお墓をつくるまでの間、遺骨を納骨する仮墓として使用されていました。

沖縄県のお墓が大きい理由は主に2つあります。ひとつ目は、父系の血族の遺骨をすべて納骨するための門中墓(むんちゅうばか)として作られたからです。先祖代々、父系の血族の遺骨を納めるためには大きいお墓が必要で、必然的に費用も高額になるので門中が資金を出し合って建設していたことも特徴。
ふたつ目は、沖縄県はかつて風葬文化であったためです。風葬は遺体を石で囲まれた部屋に納め風化させるという仕組みです。風化して遺骨だけになったあと遺族が遺骨を洗って骨壷に納めて、改めて石で囲まれた部屋に納骨します。遺体を安置するためには広い場所が必要だったため、沖縄県はお墓を大きく作っていました。現在は、風葬で遺体を扱うことは無くなっています。
門中墓や風葬によって大きいお墓が必要だった沖縄県ですが、最近ではその傾向も減ってきています。門中墓は辺境の地に建設されていることも多いため、遺族が高齢化したことでお墓参りに行けない・他県に引っ越したため管理が行き届かないトラブルも増えています。そのため近年では、門中墓に入らず独立した小さめのお墓を建設する人や、遺骨を取り出し合祀供養をして墓じまいをすることも多いです。

沖縄県では毎年4月上旬ごろにくる二十四節気のひとつ「清明(せいめい)」を大切にする文化があります。二十四節気はもともと中国から伝来された概念で、中国では清明節(せいめいせつ)と呼び祝日にもなっています。中国の人々は清明節にお墓参りも兼ねて墓地周辺の草むしりやお墓の掃除を行います。沖縄県では清明祭(しーみーさい)といわれており、子どもから大人まで親戚が集まってお墓を掃除したあと、お花・お酒・お水・お餅・豚肉料理が入った重箱・果物・お菓子などをご先祖様にお供えします。
ご先祖様へのお供えが終わったあと「これからも子孫を見守っていてください」と手を合わせて、お供えした料理やお菓子を集まった親戚で食べます。清明祭では親戚同士で近況を報告するなど、子どもたちが健やかに成長していることを確認する意味合いもあるのです。沖縄県民は、普段県外に住んでいても年末年始やお盆以外に清明祭に合わせて帰省する人も多いです。
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