横浜日野墓苑 桜の里の現地レポート

■周辺環境
横浜市営地下鉄ブルーライン「港南中央」駅を降りて南へ向かい、「港南桜道」のゆるやかな坂道を登りきったあたりから「昭和」の面影を残した、どことなく懐かしい感じの住宅街をさらに南へ歩きます。左手に小学校を見ながらなおも続く桜並木を進むと、やがて日野の街並を見渡せるあたり、右手（西）に専修寺横浜別院 乗願寺の堂宇の輝く屋根瓦、港南桜道をはさんで左手（東）に墓苑入口が見えてきます。駅からここまでは身長176cmの筆者の足で6分。春にはゆったりと桜を愛でながら歩いてくるのにちょうど良い距離です。閑静な高台の住宅街のただ中にある乗願寺は慶長年間創建の古刹。この街の風景にしっくりと馴染んでいます。

■園内
墓苑全域で日当りが良いのでとても明るく、街中なので寂しい感じは皆無です。比較的こぢんまりした規模で、お寺もすぐ隣にあるので手入れもよく行き届いており、生前には寂しがり屋さんだったというような方にはありがたい環境だと思いました。本堂の内ふところに抱かれた客殿の地下に屋内納骨堂「浄華台」があるので、もっともっと寂しがり屋だった方にはこちらがオススメ？乗願寺は浄土真宗のお寺です。墓石の制限は自由度が高く、一般的な和型墓石はもちろん、洋型墓石やデザイン墓石もOKだそうです。墓域全体が舗装されて土の露出した部分がないので、水はけが良くさっぱりと乾いているのもいい感じです。それから、これはあくまで筆者個人の所感ですが、この霊園の良心的な年間管理費の設定はちょっとした驚き！でした。

駐車場は大きな立体式のものが霊園入口にあり、台数は多くありませんが平地の駐車場も用意されています。冷暖房完備のプレハブの休憩所も墓苑入口にあり、近いとは言えお寺まで行かなくてもここで一息入れられるのはありがたい。内装はウッドを基調とした品良く落ち着いた調度品でまとめられ、掃除も行き届いています。こちらの霊園は一事が万事この調子で、至る所に虚飾を排した「気配り」を感じました。
墓苑をお守りする乗願寺の本堂は平成17（2005）年落成、荘厳な雰囲気のなかで法要が営まれます。本堂に隣接する客殿は鉄筋コンクリート三階建てで、寺務所のほか会食施設（和・洋客室）と、さきほどちょっと触れた納骨堂（浄華台）を完備しています。新しい建物なので車椅子でもOKのエレベーターはもちろん、ピカピカに磨き上げられた室内や廊下がとても清々しく、「おもてなし」の雰囲気に満ちていました。
帰りがけにお寺の方から「蓮の花も綺麗ですので是非見て行ってください。」とのお言葉があり客殿を出ると、本堂の前庭に並べられた大きな鉢に美しい蓮の華がいくつも、風に揺れていました。

また、突然冷たいジュースを2本も差し出して下さいました。汗だくの筆者の姿を見かねてのご厚意、恐縮です。温かな優しさに包まれた、桜の里の霊園でした。