墓じまいの流れ・手順・手続き

2018年3月29日 2018年9月25日

墓じまいとは、先祖のお墓を片付け、お墓を建てていた土地をお寺や霊園の管理者に返却することを指します。お墓を継ぐ人がいない、故郷から離れて暮らしていてお参りができないといった理由があります。閉眼法要を行い、ご先祖の遺骨を合祀墓など永代供養墓に移し、墓石を撤去します。通常、区画を更地にして返還します。

墓じまいとは、先祖のお墓を片付け、お墓を建てていた土地をお寺や霊園の管理者に返却することを指します。お墓といえば代々受け継がれていくものでしたが、2014年頃からは墓じまいをする人が増えているようです。

墓じまいが増えている理由としては、核家族化や少子化が挙げられます。お墓の管理をする継承者が途絶えてしまうと、墓じまいをせざるを得なくなってしまうのです。

実際には墓じまいをしないまま放置されている「無縁墓」が数多くあり、全体の40%は無縁墓だという調査結果が出てします。

しかし、この状態が続くと最終的にはお墓が撤去処分されてしまいます。ご先祖様が眠っているお墓だからこそ、墓じまいはきちんとしておきたいものです。

墓じまいをするためには、しかるべき手続きを行う必要があります。

また、お墓の撤去費用も決して安くはありません。

墓じまいのために何が必要かを把握したうえで、墓じまいを開始することが大切です。

墓じまいの流れ・手順・方法

ここでは、墓じまいの一般的な流れをご紹介します。

親族で話し合いをする

墓じまいをするときには、必ず親族と話し合いを行ってください。

お墓を継いでいるのが自分だとしても、お墓は家族を象徴する意味もあります。

煩わしいと思わずに、1人ひとりの墓じまいに対する意見に耳を傾けるようにしてください。

墓じまいの旨を伝える

親族の間で墓じまいをすることの合意が取れたら、お寺あるいは霊園に墓じまいの旨を伝えましょう。スムーズに事を進めるためにも、あらかじめ電話などで相談しておくことをおすすめします。

改葬許可申請をする

遺骨をほかの場所に移すときには、改葬許可証が必要になります。必要な書類をそろえて、市町村に改葬許可申請を行いましょう。

なお、墓じまいをした後に自宅供養あるいは散骨をするのであれば、改葬許可証は必要ありません。しかし、お寺や霊園によっては改葬許可証がないとお骨を出してくれない場合があります。このあたりの解釈はそれぞれ異なるので、しっかり確認しておくようにしてください。

石材店を決める

次に、墓石の撤去作業をお願いする石材店を選びます。お寺側・霊園側が石材店を指定していないのであれば、複数の石材店で見積もりを取るといいでしょう。なお、一般的な墓じまいの予算はおよそ30万円です。

遺骨のメンテナンスをする

長い間お墓の中に安置されていた遺骨は、溶解していたりカビが生えていたりすることがあります。骨壺内の水抜きをするなどして、遺骨をできるだけきれいにしてあげてください。なお、戦後間もない時期に埋葬された遺骨は未火葬の場合があります。その場合は、再火葬申請をしてから火葬を行うようにしてください。

墓石を撤去する

墓石を撤去し、お墓があった場所を更地にします。

お墓を建てた土地の永代使用権を返納することで、墓じまいは終了です。

墓じまいの行政手続き

墓じまいをした後に遺骨をほかの場所で供養するときには、改葬許可申請の手続きをしなければいけません。このときに必要となる書類は「埋葬(納骨)証明書」「受入証明書(永代供養許可証)」「改葬許可申請書」の3点です。

埋葬(納骨)証明書

埋葬(納骨)証明書は、現在のお墓の管理者に交付してもらいましょう。なお、公営霊園の場合は各市町村が窓口となっている場合もあります。

受入証明書(永代供養許可証)

受入申請書(永代供養許可証)は、新たな納骨先のお寺・霊園の管理者に交付してもらいます。散骨や手元供養を行う場合は、どのような手続きを踏めばいいかを事前に市町村に問い合わせておきましょう。

改葬許可申請書

埋葬(納骨)証明書と受入証明書(永代供養許可証)が用意できたら、改葬許可申請書を記入して3点セットで提出しましょう。改葬許可証は、遺骨を取り出すために必要になります。なお改葬許可証が発行されるまでには時間がかかることがあるので、余裕をもって手続きを行うようにしてください。

墓じまい魂抜きと墓石の撤去

墓じまいをするときには、必ず「魂抜き」をしなければいけません。

これはお墓に宿っている魂を一時的に抜く作業のことで、閉眼供養とも呼ばれています。なお、魂抜きをお願いするときにはお布施をお渡しするのが通例となっており、相場は1万円~5万円ほどとなっています。

魂抜きが済んだら、お墓の解体をします。

墓じまいをするときには墓石の撤去を行い、お墓があった場所を更地にしてからその土地をお寺あるいは霊園に返却します。

なお、このときの作業に不備があると後からクレームが入ることがあります。

余計なトラブルを起こさないためにも、作業が終わった後にはしっかりと状態を確認するようにしてください。

墓じまいと永代供養墓・納骨堂・樹木葬・改葬

墓じまいをするときには、遺骨をどのように供養するかを考えなければいけません。主な方法としては、「永代供養墓」「納骨堂」「樹木葬」「改葬」の4つがあります。

永代供養墓

永代供養墓とは、お墓を継承する人がいなくなったときでもお寺が責任をもって供養を続けてくれるお墓のことです。

墓じまいをした人の半数以上は、この永代供養墓での供養を選んでいます。

永代供養墓であれば最初に費用はかかりますが、その後の費用は発生しません。

ただし一度埋葬すると二度と取り出すことはできないので、よく考えてから決めるようにしてください。

納骨堂

納骨堂とは、遺骨を納めた骨壺を安置するための建物のことです。管理のしやすさや立地の良さから、近年ではお墓ではなく納骨堂を選ぶ人が増えてきています。

しかし、納骨堂はお墓と同じくらいの維持費がかかるうえに管理者も必要となります。

そのため、継承者がいなくなるのであれば納骨堂に移す意味はあまりありません。

実際に、墓じまいをして遺骨を納骨堂に移す人の割合はわずか3%ほどのようです。

樹木葬

自然の中に遺骨を埋葬する供養方法を、樹木葬と呼びます。

もっとも一般的な樹木葬はシンボルツリーの周り遺骨を納める方法ですが、土に埋めて自然に還す方法もあります。

なお樹木葬と似た埋葬方法として「散骨」がありますが、何も知らずに行うと法に触れてしまう可能性があります。

散骨をする場合には、専門業者に相談するようにしてください。

改葬

改葬とは、新しい場所に墓石を建ててお墓の場所を移すことです。

改葬するときには新しくお墓を建てるときと同様に永代使用料、墓石代、管理費用がかかるため、大きな出費になります。

しかし、お墓の立地だけが問題となっている場合は有力な選択肢だといえるでしょう。

墓じまいのトラブル

墓じまいのトラブルとして多いのは、親族とのトラブルです。

きちんとした話し合いをせずに勝手に墓じまいをしてしまうと、大きなトラブルに発展してしまうことがあります。

お墓を継いでいない親族でもお墓には思い入れがあるものなので、全員が納得できるまで事前に話し合うようにしてください。

また、墓石の撤去をするときに石材店から法外な費用を要求されることもあるようです。

お寺側が石材店を指定しているときはほかの石材店を選ぶことができないので、しっかりと対処する必要があります。

穏便に済ませられるのが理想ですが、どうにもならないときには専門業者に相談するようにしてください。

墓じまいとお寺 お布施・離檀料

お寺の墓地の墓じまいをするときには、これまでの感謝の思いを込めて「離檀料」をお渡しするのがマナーです。

離檀料の相場は、3万円~20万円だといわれており、これは法事1回あたりのお布施とほぼ同等の額となっています。

ただし、稀ではありますがお寺側から高額な離檀料を請求されることがあります。

なかには、数百万円、あるいは数千万円を請求されたケースもあるようです。

運悪くこのようなトラブルが起こってしまった場合には、弁護士など専門家に相談するようにしてください。

墓じまい代行業者とは

墓じまいの流れを改めて確認してみると、やらなければいけない作業や手続きがとても多いことが分かると思います。

「自分たちだけでできるだろうか」と、不安になってしまう人もいるかもしれません。

家族だけで墓じまいをするのが難しいのであれば、業者に依頼するのも一つの方法です。墓じまいを代行してくれる主な業者としては、以下が挙げられます。

・行政書士

・弁護士

・墓じまい代行業者(石材店、石屋など)

行政機関への、許可申請書類の代理作成なら行政書士、離檀料についての交渉の代行なら弁護士にお願いしましょう。

なお、これらの行為は法律上の問題で墓じまい代行業者は行うことができません。

墓じまい代行業者ができることは、いわゆる「工事」です。

墓石の解体撤去や墓地を更地にするための整地工事は、墓じまい代行業者に依頼しましょう。

また、遺骨を取り出すなどの作業も墓じまい代行業者にお願いすることができます。

このように、何を代行してもらいたいかによって依頼する業者も変わってきます。

まずは、何を依頼したいのかを明確にしましょう。

そのうえで業者に連絡し、代行してもらいたい作業や手続きを請け負ってもらえるかを確認してみてください。

おわりに

人々のライフスタイルは一昔前とは大きく変化しており、生まれ育った土地で一生を過ごす人は少なくなりました。

そう考えると、お墓を継承していけないのは致し方ないことなのかもしれません。

お墓を続けていくのが難しいと判断したら、残念ですが墓じまいの準備を始めましょう。

しかし、お墓をなくすというのは心の拠り所をなくすことでもあります。

墓じまいをした瞬間に、ご先祖様を亡くしたような気分になることもあります。

墓じまいをするときには、遺骨の一部など形見になるものを手元に残しておくといいかもしれません。

4.8/5 (10)

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投稿者: いいお墓

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