【第7回】お墓の消費者全国実態調査(2016年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向

お墓の消費者全国実態調査
「いいお墓」お墓の消費者全国実態調査

いいお墓」では、当サイトを利用し、実際にお墓を購入された方々に対して定期的にアンケート調査を行っています。そこで霊園・墓地・墓石のみならず、石材店に対する率直な意見や不満なども含め、たくさんの声をいただき、それらの一部を集計したものを「お墓の消費者全国実態調査」として公開しています。

お墓の消費者全国実態調査とは

「いいお墓」をご利用いただき、お墓を実際に建てられた方を対象に、第7回「お墓の消費者全国実態調査」を行いました。前回調査(2014年)と同様、都道府県別のお墓の購入平均価格や墓所の区画面積、お墓のタイプなどの情報をまとめました。

調査方法

2015年1月1日から同年12月31日までに「いいお墓」から資料請求・相談され、お墓を購入された方に対するアンケート調査

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第7回調査サマリー

一般墓の平均購入額、前年比微増。二極化の傾向

従来型の墓石タイプのお墓(一般墓)の購入額を聞いたところ、お墓購入額(永代使用料と墓石代の合計額)全国平均は201.55万円で、前回2014年調査時から約2.6%増となり、ほぼ横ばいとなりました。
一方で、平均から離れた低単価・高単価の購入割合は増えており(150万円未満:+2ポイント、300万円以上:+3ポイント)、二極化の傾向が見られます。ここから、お墓に対する価値観が多様化しつつあることが伺えます。

一般墓の平均購入額

  • 前回調査(2014年):196.37万円
  • 今回調査(2015年):201.55万円

霊園選択の決め手「園内の雰囲気」が「価格・予算」を上回る/6年間の調査で初

2010年の調査より霊園を選んだポイントの第2位は「価格・予算」でしたが、今回の調査で初めて「園内の雰囲気」がランクインしました。お参りする場所、もしくは自分が眠る環境に「自分らしさ」を求める層が増えているものと考えられます。
なお、1位は不動の「交通/アクセス」、3位に「価格/予算」がランクインする結果となりました。

霊園を選んだポイント

樹木葬や永代供養墓、納骨堂を選んだ理由「霊園の心地よさ」

近年人気の「樹木葬」や「永代供養墓」、「納骨堂」などいわゆる「一般墓以外のお墓」を選んだ理由では、「子どもに負担をかけたくない」を抑えて、「設備が整っており、快適にお墓参りができる」「雰囲気がよく、気軽にお墓参りに行きやすい」といった「霊園の心地よさ」を選ぶ人が多い結果となりました。
一般墓以外のお墓が拡大している背景として承継の悩みだけではなく、お墓に対する価値観が多様化しつつあること、自分らしいお墓を望む層が拡大していることが伺えます。

霊園・墓地の購入動向

霊園・墓地選びで抑えておきたい消費者の最新動向データを集めました。

「永代使用料+墓石金額」平均購入額は前年比微増。二極化の傾向

お墓購入時にかかる費用で主なものは、土地を使用する料金(永代使用料)と、墓石価格(工事費用含)ですが、そのトータル費用で一番大きな割合を示したのは「100万円以上150万円未満」で28%。「100万円未満」の14%と合わせると、42%となり、前回調査時の40%と比べて「150万円未満」の低価格層は2ポイント増加する結果となりました。
平均購入額を前回調査(第6回)と比較すると、全国平均:201.55万円と前回の196.37万円から約2.6%増の結果となりました。

この結果から、低価格な墓所・墓石のニーズが高まっていると見ることもできますが、着目したいのは「300万円以上」の高価格層の割合が15%を占めている点です。高価格墓所・墓石の購買層は年々増加傾向(前回調査時:12%)にあり、すべてが安きに流れているというわけではないようです。墓所の在り方や墓石の形態の選択肢が増えたことや、墓石に対する価値観の多様化などが要因だと考えられます。

購入したお墓の平均価格(永代使用料+墓石価格)

  • 全国  :201.55万円
  • 東日本 :203.29万円
  • 西日本 :197.05万円

主な地域のお墓の平均価格(永代使用料+墓石価格)

「永代使用料」100万円未満は82%

永代使用料の「50万円未満」が49%、「50万円以上100万円未満」が33%となりました。

購入したお墓の平均永代使用料

  • 全国  :67.73万円
  • 東日本 :64.27万円
  • 西日本 :76.71万円

主な地域のお墓の平均永代使用料

「墓石金額」全国平均は約130万円

墓石価格は「100万円未満」が38%、「100~150万円未満」が31%となり、前回から大きな変動はありません。ただし「300万円以上」も前回調査の3%から4%へとわずかながら盛り返し、お墓に十分な費用をかける層がしっかりと存在していることが伺えます。

東日本と西日本の比較については前回調査とほぼ同様で、地域で見ますと、福岡が148.31万円から200.52万円へと大きく平均価格を上昇させました。

購入したお墓の平均墓石価格

  • 全国  :133.83万円
  • 東日本 :139.01万円
  • 西日本 :120.34万円

主な地域のお墓の平均墓石価格

「区画面積」2m2が77%と圧倒的

区画面積について、最も多くの割合を占めたのは前回調査に同じく「1m2から2m2未満」で、全体の42%となり、ほぼ前回と同じ数値となりました。
「2m2未満」が70%以上という数字からは、広い区画よりも小区画面積の墓地が多く求められていることを表しています。

購入したお墓の平均区画面積

  • 全国  :1.44m2
  • 東日本 :1.42m2
  • 西日本 :1.49m2

主な地域のお墓の平均区画面積

前回調査では1m2を切る都府県がなかったが、今回は東京都と京都府で1m2未満となりました。特に、都心部での縮小傾向が顕著です。

「お墓のタイプ」和型が盛り返す

今回、広がる一方だった和型と洋型の比率に変化が見られました。
前回調査では「和型」11%、「洋型」71%と圧倒的大差だったのに対し、今回は前者が27%、後者が58%となっています。「デザイン墓」の数値は変わらず、「納骨堂永代供養墓樹木葬」は15%から12%と減少していることから、伝統回帰の兆しとも考えられます。

多様化が叫ばれ、お墓を新しく求められる方の意識も新しいものに移行していると思いがちですが、伝統的なお墓を求める層が必ずしも減少しているわけではないことが伺えます。

霊園・墓地選びの本音/決め手となったポイント

霊園墓地を購入する際に決め手となったポイントを、「交通・アクセス」「周辺環境」「管理状況」「施設・設備」「サービス」「園内の雰囲気」「価格・予算」「対応・接客」「経営・管理母体」「その他」の10項目から3つ、1~3位まで選んでいただきました。

重要視したポイントのトップ3は「交通・アクセス」「価格・予算」「園内の雰囲気」で第3回調査から継続して変化はありませんが、今回は「園内の雰囲気」が「価格・予算」を抜いて初めて2位となりました。
第1回調査以来、第1位は「交通・アクセス」が群を抜いて票を集め、「価格・予算」は1つ順位を落として第3位となりました。

独自の雰囲気を打ち出す霊園が増えたことから、予算を少しオーバーしても、希望にマッチした雰囲気を優先したいという人が増えつつあるのではと考えられます。
他方、サービスや対応・接客に対する関心は薄い結果となりました。お墓そのものが希望に合致していることを重視し、付随するものについては優先順位を低めに設定する人が多いということが伺えます。

購入したお墓の総合評価/満足度

石材店の良かった点/悪かった点

良かった点

前回調査では「しつこくセールスはしないが、きちんと話を聞いて注文に応えてくれた」「段取りがスムーズ」など、専門家ならではの知識と対応を喜ぶ声が多かく見られました。内容に多少の変化はあるものの、今回もスピーディな動きや選択肢の豊富さといった専門性を評価する声が多いです。

  • 担当の方が、墓石デザインではこちらの要望に親身になってアドバイスをくださり、他、色々と親身になって対応してくれた。
  • ミニ墓石デザインでは、担当の方が、こちらの要望に親身に相談に応じてくれて、イメージ通りの彫刻に仕上がりました。
  • いの一番で資料を届けに来てくれた。
  • 少ない予算に丁寧に対応してくれた。
  • 石材の種類が豊富だった。

悪かった点

悪かった点として挙げられているのはその逆で、プロフェッショナルへの期待に勝るものが得られなかったという点に尽きます。

  • 担当者と連絡が取りにくかった。
  • 説明やアドバイスが少なかった。
  • 書類に細かい不備があった。
  • 作業や施工が雑だった。

これからお墓を購入する方へのアドバイス

お墓を建てた経験があるからこそ分かる、お墓づくりの大変さ。お墓づくりの先輩方より、さまざまな経験値に基づく具体的なアドバイスをいただくことができました。ぜひ参考になさってください。

霊園について(交通・アクセス、管理・運営、園内の雰囲気、周辺環境など)

  • 見学に行った時はまだ一部が更地で、ちょうど樹木葬用の納骨する筒状の物を配列している工事をしていました。どのような仕組みで作られるのか?どんな状態で施設が作られるのか?という基礎の部分が見れ、ある意味良かったと思っています。
  • 希望としてはペットと一緒の樹木葬でした。当墓苑は自宅から近場で、ペットOKの樹木葬。しかも基礎部分が見れたので安心して決めさせて頂きました。
  • 気軽に遺族の方が足を運べるように、交通・アクセスが良いところを選ぶのは大事です。
  • お墓を初めて購入して、一番大切なのは、家族が霊園の雰囲気、管理方法、埋葬方法など、いかに納得して希望通り、購入すること大切だということが分かりました。
  • 駅からバス利用の霊園は、購入の候補に入れていなかったのですが、担当者のお奨めでご案内していただき、すぐに気に入って購入を決めました。
  • 女性からの支持を多く得ているとのことですが、とても明るくきれいに整備されていて、墓地のイメージが変わりました。
  • 墓地が遠い場所だともう少し広いところはありましたが、予算と近場を考えて契約しました。

石材店について(選び方、設計・施工など)

  • 契約してから引き渡しまでに意外に時間がかかるとは思わなかった。イメージとしては1ヵ月位だと思っていたが、実際は3ヵ月位かかるようです。
  • 海が見えるとなお良かったが、こぢんまりとした谷戸の奥でどことなく隠れ里のような雰囲気が気に入った。亡くなった本人も樹木葬に興味を持っていたので少しは遺志に添えたかなと思う。ただし、埋葬方法について、説明では、パウダー状の骨を骨壺にいれて徐々に大地に同化させるとのことだったが、実際には、骨壺の底に小さな穴が一ヵ所しか開いておらず、これで本当に地面に骨が染み込んでいくのかが多少不安である。

価格・予算について

  • 結婚式や葬儀と同じようにさまざまなオプション費用が必要になるので、サイトなどに掲示されている費用の1.5倍くらいは準備しておいた方がよい。
  • 市場価格ではなく、霊園と石材店の都合で墓石価格は決められており、21世紀にも関わらず、顧客主義・志向ではないのが残念。
  • 永代使用料+墓石代+据付工事費+消費税のセット価格で購入を決めましたが、請求書の金額はその価格を上回る金額でした。当方の予算内でしたので問題にしませんでしたが、金額については墓の彫刻など客の要望により変わると思いますが、内容が決まった時点で、金額の提示があってもよいのでは。
  • 国内産にこだわると、限られた予算では厳しい。
  • 墓石選びは素人では難しいが、中国産の石でも品質が良く種類が豊富なのが詳細な説明で理解できた。
  • 無理なく予算内に収まるよう、こちらの希望に沿って営業してくれた。

お墓を建てる心構えについて

  • ご本人様家族の方との意見も違うと思うので、両方が納得いくまで時間をかけて探された方がよろしいと思いました。
  • あせらずに、色々調べたり、まわりの人の意見を参考にすると、必ず良い場所が見つかります。
  • 生前にお墓を購入したことで、これからどんな病気にかかっても、あまり、恐れない勇気を持てました。
  • お墓選びで一番大切なのは、生前に家族で、どんな埋葬方法が希望なのか、よく話し合うことだと思います。そして、必ず実際に霊園を見学してみることも、環境や、スタッフの様子を知る意味でも、大切だと思います。
  • 急だったため、3回忌をめどに購入を検討しましたが、故人の生前の希望にぴったりのところがたまたま見つかったのでお願いしました。生前からお墓の話をするのは難しいと思いますが、残る家族に詳細な希望を伝えておく方がよいと思います。
  • 事前に情報収集をしておくことが重要だと感じました。
  • 希望に全て沿う墓地はなかなか無いので、希望の優先順位や墓地の長所・短所をあげて、納得のいくまで考えて決定すると良いと思います。高額なものであり、建直しはなかなか出来ませんから。

お墓の購入前に必ずやっておいた方がいいこと

  • 色々な墓苑を見て自分の条件を満たすことが大事だと思います。
  • できるだけ数多くのところを見学してみることをおすすめします。
  • 寺院内で「浄苑」となっているところでいかにも檀家とは違う風に謳っているところでも、結局は寺の規約に従わなければならないところは留意点。
  • 生前にお墓を色々見せていただくと、今はお洒落なものが沢山あるので、買う楽しみがある。
  • 分からないことだらけなので、色々と質問をした方がよい。
  • 交通の利便性や施設設備は重要な要素。
    現地を見ることが大切。
  • 限られた時間と予算の中で、ネット検索で霊園を比較検討したおかげで、スムーズに事が運びました。
  • 墓地の空き区画に関しては、実際の状況とネットの掲載状況にタイムラグのある霊園が多いようで、最終的には電話で霊園や石材店の担当に直接確認をした方が良いです。
  • 樹木、合同墓を探していましたが、納骨に立ち会えないなど思っていたのとぜんぜん違っていました。

調査結果とともに、購入経験者の生の声からも、多様化・細分化する消費者の実態を読み取ることができます。霊園・墓地を探されている方、これからお墓を建てる方、ゆくゆくお墓が必要になると考えている方など、多くの方の参考になれば幸いです。

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