【簡単解説】樹木葬とは?特徴や費用相場、メリット・デメリットがよくわかる!

多様化するお墓の種類の中で、希望者が多く件数を増やしているのが「樹木葬」と呼ばれる自然葬です。樹木葬は寺院のほか、都立霊園のような公営霊園や民営霊園でも導入されてきています。

樹木葬は、墓石を建てず、樹木や花を墓標とします。埋葬後の管理やメンテナンスは個人で行う必要がないため、墓石の管理者がいないという方にとっては特にメリットのある方法です。また、死後は自然に還りたいと考える方にとっても魅力あるスタイルだと言えるでしょう。

そこで、今回は樹木葬の特徴や費用相場、メリット・デメリットなどを詳しくご紹介します。

樹木葬の特徴

  • 自然に還ることができる
  • 継承の必要がない
  • 墓石代が不要のため費用の負担が少ない
  • 宗旨宗派が不問の場合が多い


樹木葬(樹林墓地)とは、遺骨を埋葬したところに木を植えるお墓の形態のことを指しますが、樹木葬とひとことで言ってもさまざまなタイプがあります。

では一体、どのようなタイプがあるのでしょうか?その形態、埋葬方法、植物の種類などからみていきましょう。

樹木葬の種類・形態

樹木葬はその形態から「庭園タイプ」「公園タイプ」「里山タイプ」とに大きく分類されます。

都市部を中心に「庭園タイプ」の数が増えてきており、実際に購入する人も多くなってきました。

樹木葬の種類の主な3つのタイプの割合を示した円グラフ
出典:第9回 お墓の消費者全国実態調査

庭園タイプ

庭園タイプの樹木葬の画像
ごく限られたスペースに、シンボルツリーや花木を植えたタイプ。寺院の境内墓地や霊園の一角でも見られる、“都市型”の樹木葬と言えるでしょう。

庭園・ガーデニング風の雰囲気を保つよう管理している霊園が多く、整理された美しさを感じることができます。

公園タイプ

公園タイプの樹木葬の画像
墓域をマウント状にして芝生を植えたりするなど、まるで公園のような自然が感じられる環境整備が成されたタイプで、園内の一区画を樹木葬としている霊園が多いです。

樹木は1~数本を墓域に植えるシンボルツリー型が多いようですが、一部、一区画ごとに植える霊園もあります。

里山タイプ

里山タイプの樹木葬のお墓の写真
自然とより密接した環境の中、「人を弔う墓地で里山の草木を育てる」といった自然保全の目的を持ったタイプ。山林などの広大な面積を持ち、一区画に1本ずつ樹木を植えるところが多いようです。

樹木葬の埋葬方法

埋葬のしかたも色々あり、他の人の遺骨と完全に混ぜてしまう合祀型や、遺骨が他の人と混ざらないように袋や骨壷に分けて入れて、ひとつのスペースに分けて埋葬する共同埋葬型、遺骨を個々の区画に埋葬する個別埋葬型があります。

納骨の仕方も霊園によって異なります。決められた区画内に穴を掘り、直接、あるいは布に包んで埋葬する方法や、骨壺にご遺骨を入れたまま埋葬できる墓所などがあり、遺骨をパウダー状にする場合などさまざまなパターンがあります。

樹木葬の植物

桜をシンボルツリーとした樹木葬の写真
樹木の種類としては、クスノキなどの常緑樹や紅葉が見られるカエデ類などがあり、その地域に合った植栽が選ばれます。

また桜をシンボルツリーとして「桜葬」と名付けたところや、庭園風の墓域にバラを植える、流木なども用いて里山を表現するなど、特徴ある樹木葬もみられます。

一区画ずつ植えるタイプでは、何種類かの候補の中から自分の好きな樹木や低木、花を選べるところもあります。

樹木葬で使われる植物の一覧

サクラヤマツツジサルスベリ
ハナミズキエゾアジサイモミジ
カラマツポプラクスノキ

樹木葬の費用相場

樹木葬は、一般的なお墓と同じ永代使用料(墓地の区画を使用する費用)がかかります。

なお管理費は使用料に含まれていたり、最初に一括で支払うことが多いようですが、年間管理料として毎年徴収するところもあるので事前に確認しておきましょう。

それでは、実際に樹木葬の永代使用料はどれくらいかかるのか、見ていきましょう。

樹木葬の費用相場の推移

2016年度調査2017年度調査前年対比
樹木葬74.1万円70.9万円-4%
一般墓181.5万円174.1万円-4%
納骨堂86.3万円98.5万円+14%

出典:第9回 お墓の消費者全国実態調査

樹木葬は墓石代がかからない分、金額が抑えられ、中には10万円前後で購入できるところもあります。一般墓を建てるときはトータルで100~300万円程度かかるとも言われていることを考えると、金額的なメリットはかなり大きいですよね。一方で、中には200万円以上という価格設定もみられるなど、価格帯にはかなり幅があります。

相場といっても、その地域の地価や諸条件によって金額が変わってくるため一概には言えませんが、ボリュームゾーンは30~90万円くらいでしょう。

鎌倉新書が行った2018年消費者調査の結果によると、平均価格は71万円となっています。

>>樹木葬の費用の詳細はこちら

樹木葬のメリット・デメリット

樹木葬のメリット

  • 「死んだら自然に還りたい」「木の下に眠りたい」という希望が叶う
  • 継承者が不要
  • 一般墓より費用が抑えられる傾向がある
  • 宗旨・宗派を問わないことが多い

「死んだら自然に還りたい」「木の下に眠りたい」という希望が叶う

本来、樹木葬とは自然保護の観点から、遺骨が自然に還ることをコンセプトとしており、環境保全への貢献を願う人が選ぶ葬法です。そのため、「死んだら自然に還る」「木を植えて、その下で眠る」という遺志がある人にとっては、メリットというより、希望がかなう、魅力ある葬法と言えるでしょう。

継承者が不要

一般的な墓石による埋葬を行う場合、基本的に故人の親族など代々墓石を引き継ぎ、管理しなくてはなりません。現時点では引き継ぐ人がいるかもしれませんが、いずれ墓石を引き継ぐ人がいなくなる場合も考えられます。

それに比べて樹木葬の場合は、墓石を作るわけではないので何世代にもわたって引き継ぐ必要性がありません。

よって引き継ぐ人がいないなどの問題が起こることがなくなるだけでなく、霊園や墓地を管理している人が代わりに管理してくれるので管理の問題も同時に解消できます。

一般墓より費用が抑えられる傾向がある

墓石を用いる方法だと数百万円と高額な費用を必要とすることが多いので経済的な負担が大きいのが難点ですが、樹木葬なら墓石などを用いる必要性がないので、安ければ10万円前後など圧倒的に安い費用で埋葬が可能です。

埋葬する場所やオプションによっては費用が高くなり得ますが、その点を踏まえても費用をおさえることができます。

宗旨・宗派を問わないことが多い

“自然に還る”ことが前提としてのコンセプトであるため、宗旨宗派を問わずに埋葬できるところがほとんどです。もちろん、そうしたところでは納骨式や宗教によるしきたりもありません。

ただし稀に、「個別の法要はお寺の宗派で執り行う」「戒名を付ける」といった条件が付くケースもあるため、それぞれ確認が必要です。

樹木葬のデメリット

  • 本契約期間が決まっていることが多い
  • 樹木や花が枯れてしまうことがある
  • 埋葬の方法によっては、後から遺骨を取り出せない

本契約期間が決まっていることが多い

樹木葬の基本料には永代使用料が含まれている場合がほとんどですが、その埋葬方法には霊園によってさまざまな形態があります。

多くの霊園では、「13年」「17年」など決まった期間(年忌法要の期間に合わせることが多いようです)、骨壺に入れて埋葬し、合同墓などに合祀された後に遺骨を土に還すという方法がとられています。

樹木葬の購入前には、霊園・墓地がどのような方法で埋葬しているのか、何年間その場に埋葬されるのかを確認しておきましょう。

樹木や花が枯れてしまうことがある

樹木や花は自然の植物ですから、苗が根付かなかったり管理の問題などが原因で枯れてしまうことも考えられます。その場合、新しい苗木を植えるといった対応をしてくれるのか、購入前に確認しておきます。

埋葬の方法によっては、後から遺骨を取り出せない

一部、骨壺を使うところは別として、遺骨を土に還すことを目的とした樹木葬では、一度埋葬すると掘り返すことが難しくなります。一般墓のように改葬(=お墓の引っ越し)ができるわけではないことを念頭に、場所選びは慎重に行います。

樹木葬がある霊園紹介

樹木葬の誕生は1999年のことでした。最初はお寺が始めましたが、その後、民営霊園や公営霊園でも徐々に導入されてきました。その代表的ないくつかの例をみてみましょう。

知勝院 樹木葬

岩手県一関市の祥雲寺というお寺(2006年~管理運営は知勝院)が、1999年日本で最初の樹木葬を始めました。里山を残すという主旨のもと、墓地としての許可を受けた地元の山林を樹木葬としました。

コンセプトは「花に生まれ変わる仏たち」。遺骨は土中に直接埋蔵し、一区画ごとにヤマツヅジ、ウメモドキなどの低木類を植えます。墓石やカロートの設置は禁止しています。またお寺の墓地ながら、「宗旨宗派を問わない」としたことも話題となりました。

当時、お墓の新しいスタイルとして各メディアに紹介されたこともあり地元だけではなく全国から問い合わせがあったといいます。

NPO法人エンディングセンター 桜葬

2005年、民営霊園「町田いずみ浄苑・フォレストパーク」の一角に、東京都内では初めてとなる樹木葬墓地が開設しました。約135㎡の墓域に3本の桜が植えられ、その元に個別区画と共同区画が設けられました。桜の木を墓標とすることから「桜葬」と名付けられました。

契約する場合は、この桜葬を始めたNPO法人エンディングセンターの会員になることが求められます。この団体は会員向けに終活講座を開催したり、生前契約や葬儀などの死後サポートも行っています。また全国に「桜葬ネットワーク」を呼びかけ、そこに参画するお寺などでも桜葬が実施されています。

>>町田いずみ浄苑フォレストパークの口コミはこちら

都立小平霊園 樹林墓地

都立霊園としては初となる樹木葬が開設されたのは2012年のことでした。

都立小平霊園の樹林墓地は、834㎡の墓域にコブシ、ヤマボウシなど5種8本を植えて、その下に27基の共同埋蔵施設を設置。契約者の遺骨は、他の人のものと一緒に埋蔵されます。

初年度の公募では、募集数500体に対し応募数8,169体、倍率は16.3倍と高くなりました。小平霊園ではその後、個別に1体ずつ埋蔵する樹木墓地も開設(2014年度から募集開始)しています。

>>都立小平霊園の詳しい情報はこちら

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