卒塔婆

2018年7月17日

卒塔婆は略して「塔婆(とうば)」ともいい、仏塔のことを意味しますが、一般的には“追善供養のために経文や題目などを書き、お墓の後ろに立てる塔の形をした縦長の木片のこと”を言います。
卒塔婆は仏塔を簡略化し、五輪塔と同じく仏教の宇宙観である五大(空・風・火・水・地)を表しています。
なお、言葉の起源は、古代インドのサンスクリッド語の「ストゥーパ」という言葉を、漢語(中国語)で音写したものです。

卒塔婆は仏塔とも訳され、“お釈迦さまの遺骨を納めた塔”のことも意味します。お釈迦さまが入滅すると、遺骨が8つに分けられ、8つの国に遺骨を安置するための仏塔(ストゥーパ)が建てられました。後に、お釈迦さまだけではなく、その弟子である高僧も仏塔(ストゥーパ)を建てるようになりました。もともとお椀を伏せたようなかたちをしていましたが、仏教が中国・朝鮮半島を経由して日本に渡るまで、時代とともに色々なかたちに変化しています。
なお、日本のお寺でよく見ることのできる五重塔、五輪塔ももとをたどれば仏塔(ストゥーパ)です。

お墓に立てる木片の卒塔婆の形状も、五輪塔のかたちがもとになっており、仏教の宇宙観である五大が表現されています。 (下から順に:「地(四角)」、「水(円)」、「火(三角)」、「風(半円)」、「空(宝珠形)」)
仏教ではこれら「地・水・火・風・空」の5つの要素が、この世界を構成していると説かれており、人間もこの5つの要素によって、“生かされている”と考えられています。

お墓に立てる卒塔婆は何のために立てるの?

卒塔婆は亡くなった故人の追善供養のために立てられます。
卒塔婆に書かれる内容は以下のものがあげられますが、それぞれの宗派、お寺さんによっても異なります。
[戒名(法名)/没年月日(命日)/経文・題目・聖句・梵字/願主名/願主/供養年月日]
一故人に対して卒塔婆1本という形で立てるのが一般的ですが、「いつ」、「何本」というような決まりはありません。ご先祖様、故人に対しての供養の一つの形が卒塔婆なのです。
家族一人一人がそれぞれ1本ずつ立てる形でも、「○○○家一同」「兄弟一同」のようにしてまとめて立てる形でも問題ありません。

「浄土真宗」のように卒塔婆を建てる習慣がない宗派もあります。
お盆やお彼岸、年忌法要の際や、法事に参加できない時には、寺院や霊園・墓地の管理事務所に「卒塔婆供養」の依頼をしておけば、お墓に卒塔婆を立てておいてもらえます。(盆・彼岸などの繁忙期は、早めに依頼しておきましょう)
卒塔婆の内容は通常墨汁で書かれますが、近年は印刷でプリントするケースも増えています。

施餓鬼会と卒塔婆供養

お盆と共に夏の行事の一つが施餓鬼会(せがきえ)です。本来この施餓鬼会はお盆とは別の行事です。地域によって5月の連休中や、年忌、百ヶ日の法要などと合わせて行う場合もあるようですが、大半の地域ではお盆の期間に行われています。 その際、卒塔婆を建てて供養を行います。

仏教でいう餓鬼とは、いつも飢えと渇きで苦しんでいる亡者のことです。餓鬼の世界はまさに飢えの世界で食物があっても食べることのできない世界です。食べても喉がハリのように細くなって飲み込むことができなかったり、食べようとして手にすると、その食物が燃え尽きてしまったりします。このような餓鬼に飲食(おんじき)を施して救い出すのが施餓鬼です。

自分の力でその苦しみから抜け出すことのできない餓鬼にとって、施餓鬼会が唯一の救いになるとされています。施餓鬼会の法要では、お寺に設けられた施餓鬼壇に「三界万霊」と書いた位牌を安置し、檀家の人が持ち寄った米や野菜、果物、菓子などと一緒に卒塔婆を建てて法要を行い、亡者を供養し、その滅罪追福を祈ります。

 

アドバイス

古い卒塔婆は、適宜処分しておきましょう。
卒塔婆は木製なので、時間とともに腐食していきます。長期間そのまま放置していると虫の巣になってしまったり、墓所が汚れる原因にもなります。
お盆・お彼岸などお墓参りの度に、新しいものと適宜入れ替えておくことをお勧めします。卒塔婆は指定された場所で処分してくださいね。

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