皆さんの考える最期の迎え方とは【お坊さんQ&A -hasunoha】

皆さんの考える最期の迎え方とは(女性/40代からの質問)

昨年の秋頃に、NHK のドキュメンタリー『ありのままの最期 末期がんの“看取り医師”死までの450日』が放送されました。
医師で僧侶の田中雅博さんが、末期がんとなり亡くなるまでを記録した番組です。
田中さんは「死ぬのは怖くない。看取った患者から死に方を学んだ。」と語っておられました。とはいえ、現実には思い通りにはいかないこともあり、言葉を失うくらい壮絶な内容でした。

私にも一応、理想の最期のイメージはありました。誰でもいつかは死ぬのだからじたばたしても仕方ない、自分らしく生き、寿命が来たらそれはそれで受け入れるだけだなと。
でも、実際にそれを間近に感じた時には不安だらけ。じたばたしまくり。私はこんなに弱かったのかと愕然としました。この時は単なる体調不良でしたが、現実は自分が死ぬなんてそんなに簡単に割りきれるものではないことを経験し、分からなくなりました。

「死に行く者の死に方から学べ」と田中さんはおっしゃったそうです。
“人の生き死には思い通りにはいかない。それでも、なるべく冷静に過ごすにはどうすればいいだろう” 今度は慌ててしまわないようにと、以来ずっと考えていますがまだ答えが出ていません。

お坊さんはたくさんの方の最期に向かい合っておられるので、ご自身に関しても既にイメージがあるのではないかと思います。例えば病気で余命宣告されたとしたら、暫くの間は痛みや不安など心身の変化に耐えることになりますよね。

今回お尋ねしたいのは「最期の、耐えて待つ生き方」です。どのような心境で、どのように過ごしながらその時を迎えようと思いますか? お坊さんとして、でもいいですし、一個人としての思いがあれば教えていただきたいです。参考にします。

よろしくお願いします。

僧侶の回答

回答は各僧侶の個人的な意見であり仏教教義や宗派見解と異なることがあります。答えは一つとは限りません。多くの回答(法施)からあなたの人生を探してみてください。
hasunoha

岩瀧山 往生院六萬寺 川口 英俊

~死に際して歓喜が生じますように~

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

 

田中雅博師とは、ご生前にフェイスブックにての繋がりがございました。末期癌に侵されながらにも、かなりお忙しい先生にて、ほんの僅かなことでありましたが、有り難くも交流させて頂きました。その関連にてお送りさせて頂きました本がございまして、それは「チベットの生と死の書」ソギャル・リンポチェ師著(講談社文庫)でございました。この本には、私たちの死にゆく過程、死後の過程がいかなるものとなるのか、死にゆくものにどのように対峙するべきかなどが、チベット密教の知見から紹介されて述べられているものとなっており、拙生がチベット密教へと入る大きなきっかけとなったものでございます。また、チベット密教においては、悟りへと向けて、自分の死の過程(中有)を利用する修行もあり、いよいよの際には、楽しみに死を待てるように調えるのでもあります。もちろん、耐えねばならない苦しみがあるのは同じことながら、その苦しみも、他のための苦しみとして忍辱修行に利用するのであります。

 

もし宜しければ高僧の死に際するあり方については、「ダライ・ラマと転生」石濱裕美子先生・扶桑社新書をお読みになられて頂けましたらと思います。また、より詳しくに死を利用した修行の内容にご興味がございましたら、「ゲルク派版 チベット死者の書」ロサン・ガンワン師、平岡宏一先生著、学研文庫をご参照下さいませ。

 

拙生も、いよいよの時を迎えることになれば、死を利用した修行にて仏道が少しでも前へと進められるように、そして、死に際して、ようやくに、その有り難いチャンスが来たのだとして、歓喜が生じて迎えられるように調えて参りたいものであると存じております。

hasunoha

円通寺 邦元

~死ぬ前に成仏~

私も実際には経験してませんから、分かりませんが、死ぬまでは生きているわけです。余命宣告をされても、最後まで生きているのです。生きているうちは、“生きること”をするのだと思います。死ぬことの恐怖や想像を膨らませるより、今この瞬間“生きている”ということに徹して生きるのでしょう。

 

それが、生きるということのすべてだと思います。この体が環境と一体となって存在し、「いのち」として大きな働きをしている。人間の感情とは関係なく法の働きにより生きている。そこを追究し真理を求めるのでしょう。できれば死ぬ前に成仏したいですよね。つまり真理を悟りたいものですね。

質問者からのお礼

>川口英俊さん
ご回答、ありがとうございます。
おお、発想の転換!「死を利用した忍辱修行」とは思いつきもしませんでした。そういう視点で見れば、また新たな世界が!
やはり体験でしか得られないものはありますから、その苦しみでさえも仏道を極める次の段階だと、有り難いチャンスなのだと受け止めるというのは素晴らしい考えですね。
本の紹介もありがとうございます。早速注文しました。読んでみます。
私には歓喜の心境にはなれそうにありませんけど、「調える」方法を見つけられたらと思います。

>邦元さん
ご回答、ありがとうございます。そうですね、田中さんも懸命に生きておられました。人が死ぬということはこういうことだと、ありのままの姿から学びなさいと教えてくださった内容でした。なのに、まだ答えが見つかりません。録画して繰り返し見ながら考えているのに、全く浮かんでこないんです。邦元さんの回答にある「法の働き」というのでしょうか、圧倒的な力を前にしたら人間は何て無力なのだろうと。世界は動いているのに、何も見出だせなくなったというか。でもネガティブなものではなく、頭が空っぽの状態、不思議な感覚です。邦元さんはお坊さんとして仏道を極めたいとお考えとのこと。叶うといいですね。


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昨年の秋頃に、NHKのドキュメンタリー『ありのままの最期 末期がんの“看取り医師”死までの450日』が放送されました。医師で僧侶の田中雅博さんが、末期がんとなり亡くなるまでを記録した番組です。田中さんは
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