母の日に、お墓参り?

2018年7月17日

のほほんと過ごすGWが終わるとやってくるのが“母の日”。子供の頃は、カーネーション1本でも贈り物として充分だったけど、大人になるとそうもいかない。毎年毎年やってくるこの日に向けて、品物選びに一苦労する。

そんなやっかいな日本の“母の日”は、アメリカに起源があるらしい。
1907年、ウェスト・バージニア州のアンナ・ジャービスという女性が、母の命日5月9日、教会に集まった人々へ500本の白いカーネーションを配ったことがきっかけだった。アンナは、多くの人が生前に母親に感謝する日があればと願い、呼びかけたという。

すると、この話を聞きつけたあるデパート経営者が翌年、5月の第二日曜日を母の日としてキャンペーンを展開した。「母に感謝」という言葉には普遍的な強さがあるのだろうか。そういう商業的な力にも後押しされた“母の日”は全米に広く知られることとなり、1914年には大統領によって国民の祝日と制定された。
ところが提唱者でもあるアンナは、あまりにその“プレゼント”が強調される風潮に憤慨し、その後、行事差し止めの裁判を起こしている。

現在、アメリカでの母の日では日本と同様、プレゼントの宣伝が繰り広げられ、いつもより花の値段が上がる。日米共に、アンナの危惧したことに拍車がかかっているのが現状だけど、普段なかなか言葉にできないことを伝える機会にはなっているかと思う。

アメリカではまた、すでに母親を亡くした人がお墓参りに行くこともある。母の日の霊園の写真を見たことがある。あちこちのお墓に、色とりどりの花が飾られていた。墓石、といっても小さなプレートが埋められているだけということもあり、花や飾り物だらけのその場所は「墓地」というより公園に近いイメージだった。
実際、そこで食べ物をひろげるピクニック気分の家族もいるらしい。

母の日に、子供達がそんな風に集まるのもなかなかいい。

もともとは、生きているうちに母親をいたわろう、敬おうというのがこの日の一つの主旨だったわけだけど、亡くなったからといってその気持ちが消えるわけではない。
日本には“お彼岸”始め、お墓参り定番の日があるものの、母親への想いがあれば敢えてこの日に行くのも悪くないと思った。

ところで、アンナの母、リーブス・ジャービスはすごい人だった。敬虔なキリスト教徒だった彼女は、南北戦争の際、女性たちをまとめ、敵味方関係なく中立的な立場で奉仕活動をしていた。また、戦争も終わりの頃、双方の兵士や人々を招く和解のためのイベントを企画し、大成功させたのだった。

娘のアンナが“母の日”を提言したのは、そんな母親の功績をこれからの世に伝え、活かしてもらおうという気持ちもあったという。
この日が生まれるきっかけとなった、信念と愛ある行動を示した女性のことを覚えておこうと思う。