地元の石で建てるお墓

2018年7月17日

地元の石で建てるお墓

「庵治石(あじいし)」といえば、香川県産出の高級石材ですが、香川県出身の知り合いは自分がお墓を建てるまで、この石を知らなかったといいます。
県の鳥、花や木は小学校などで教えられても、「石」に関してはそのような機会がなかったからでしょうか。

今年5月、日本地質学会(会長 井龍康文氏)が全国47都道府県の「県の石」を発表しました。
同学会は2018年に創立125周年を迎えるため、その記念事業の一つとして、これまで各都道府県では制定していなかった「石」を独自に選定したといいます。

一般からも推薦を受けて検討し、各地域特有の岩石・鉱物・化石それぞれ1種類ずつを決定するのに2年を要したそうです。

その「県の石」リストを見ると、大谷石(栃木県)、万成石(岡山県)など墓石として有名な石も。
地質学的なことと共に「旧帝国ホテルに使用され、完成披露当日に起きた関東大震災に耐えたことから、建築資材として全国的に有名に」(大谷石)など、物語を感じさせる文章でその特徴が解説されています。

ですが、「なんとなく知っている石」はごくわずか。
47都道府県全体では、蛇絞岩(岩手県)、松脂岩(愛知県)など初めて目にするものがほとんどで、バラエティーに富んでいます。

日本地質学会のコメントに「日本は国土の面積こそ小さいのですが、複雑な地質構造をもつ世界でも特異な場所」とあるように、この国の北から南まで、その特性が産んだ多様な石があることに気づかされます。

ところで、墓石にする石もまた、北海道から九州までの各所で産出されています。
銘柄(ブランド)でいえば、かつては200以上にも及んでいた石材は中国などの外国産材におされ半数以下になりましたが、近年は国産材や国内加工が見直される向きもあります。

墓石の評価は、屋外に建立するものとしてその耐久性が良し悪しの基準となり、一概に外国産が悪く国内産が良いというわけではありません。
とはいえ、地元の石、あるいは出身地の石でつくったお墓というのは、より愛着がわくものなのかもしれません。

日本地質学会選定の「県の石」には選ばれずとも、各地域にはそこでしか採れない、お墓に使われる石があります。

今月はお盆で帰省される方も多いはず。
意外と知らない、地元産出の石を調べてみませんか?

柿ノ木坂ケイ