墓石で、合格祈願―鼠小僧と受験生―

2018年7月17日

先日、買い物に行ったスーパーで、いつもとは違う納豆のパッケージに目がとまりました。そこには、タスキのイラストに「合格祈願」の文字。周りには桜の模様が描かれていました。
納豆だけに「ねばり強くいこう」というメッセージでしょうか―。

受験シーズン前はこうした、いわゆる合格グッズなるものが、さまざま販売されています。
有名なところでは、チョコ菓子のキットカット=「きっと勝つ」。タコの置物で「置くとパス(オクトパス)」など、皆さんも見聞きされていることでしょう。

某有名通販サイトで「合格グッズ」を検索すると2,597件がヒットしました(!)。鉛筆、お菓子、カイロ、パンツと商品は幅広くあるようです。

千葉県の千葉都市モノレールが、昨年12月から販売を始めたのは「落ちないお守り」(400円)です。キーホルダーやストラップに取り付けられたカプセルの中には、車輌をつり下げる安全対策のためのワイヤーを切り分けて入れているとか。……つまりこれを持っていれば「落ちない」というわけです。
各駅での販売の他、通販もありますが、1月半ばにはストラップ型はほとんど売り切れていました。

私が受験生だったウン十年前は、お寺や神社にお参りし、絵馬などで合格祈願することが主流でしたが、時代は変わったようです。

ところで、東京都墨田区の回向院は受験生に人気があるのだとか。ある人物のお墓が目当てで、このお寺に訪れるのです。その名は、鼠小僧。

鼠小僧といえば、江戸時代の盗賊で、人を傷つけずに大名屋敷に盗みに入った人気者。最後は捕まりましたが、長年逃げのびていたことから、その運にあやかろうと墓石を石で削り、その粉を持ち帰るのだそう。

回向院のサイトでは墓が建てられた当時から、お守りのため墓石が削られていたことが紹介されています。
「賭け事に勝つ」「ギャンブルに強く」という祈願、現代の受験生にとっては、「すっと(大学に)入り込む」といった意味合いがあるようです。

写真で見ると、実際の墓石の前には別の石、「削る」ための石が設置されています。

まだ10代の若者にとって受験というのは、神に仏に、語呂合わせ商品に、そして伝説の人物にも頼りたくなるほど大変なことなのです。

一方、中学生・高校生の先輩たちである大学生もまた、1月は年度末の試験シーズンになります。

そんな時期に大学で販売された「単位パン」が売れ行き好調との記事が掲載されていました。

以前からあった「単位を販売して」という学生たちの要望に応え、パンを売り出したのは、首都圏を中心とした60以上の大学生協。
このクリームパンには「単位」という文字の焼き印が押されていますが、この焼き印は、学問の神菅原道真を祀った湯島天神でお参りしたものだとか。

「単位パン」は完売続出で、週5000個販売予定を2万個に増やしたそうです。

受験の壁を乗り越え、いずれ大学に進んでも、そこには「単位取得」という新たな試練が待っているようです。