お墓の方角、気になりますか?

2018年7月17日

突然だけど、目の前を黒いネコが横切ったら、あなたはどうしますか?

私の場合、一応人目がないことを確認しつつ、3歩後ろへ下がります。・・・そうしないと“よくないコト”が起こると聞いたので、何となく反射的に。
たとえそうできなくても、気持ち悪いのはその瞬間だけで、十数分後にはすっかり忘れていることがほとんどだけど。

お墓について書かせてもらっているからか、関連するコトを人から聞かれる。
以前、「お墓の向きってどうなんですか?」と尋ねる人がいた。

“お墓の向き”ばかりでなく、石の色や形、立地、墓所(お墓を建てる敷地)の使い方、文字の入れ方・・・。
さまざまな点からお墓のもたらす吉凶を説く、いわゆる“墓相”。本屋に並ぶその手の出版物を覗いてみると、例えば「お墓は○向きがよい」。そしてその他の方角にした場合、夫婦不和や病気、etc…。不幸の数々が羅列されている。

「お墓の向きってどうなんですか?」という質問には、「このような、お墓が子孫に及ぼす影響をいう諸説がありますが、気にかけた方がいいんでしょうか?」というニュアンスが含まれていたと思う。

それでその人に、ある石材店の話をした。

霊園を契約しようというお客に、同じような質問を受けた石材店の社長はこう答えたという。

その霊園はお墓同士が背中合わせに建てられていた。
「ここではお墓は北向きか南向きです。もし、どちらかの向きが良くないのであれば、ほぼ半分の家が不幸だということになります。・・・現実にそれは考えられるでしょうか?」

これまで聞いた中で、私が最も納得できたこの話しをすると、その人は安心したような表情を浮かべた。

別な石材店とお客の、こんなやりとりの話しを聞いたことがある。

墓石の一部が欠けてしまい、気になるけど修理する余裕もない。そんな状況のお客さんに、石材店の営業は言った。

「ご先祖様が厄を引き受けて下さったんですね。慌てて直す必要はありませんよ」

お見事!と声を掛けたくなるような、味のある返答ぶり。しかも利益に結びつかないところでの、こういう助言。心強い。

お墓は、生きている人の幸不幸と結びつけて語られることがある。
手引書では、こうした墓相について、「基本的にはあまり信じないこと。でも信じるのであれば、とことんこだわって」のように書かれていることがほとんど。
それはもっともだけど実際は、「信じるわけじゃないけど、でも気になる」人が多いのでは、と思う。
「こっちの向きにしないと悪いことが起きますよ」と書かれていれば、言われれば、誰だってイヤな気持ちになる。

そんなボンヤリした不安を解消するのは難しいことではあるけど、お墓を建てるとき一番身近な存在となる石材店に、気になる点を投げかけてみるのも一つの方法だ。

そして、その対応によって案外、その業者なり担当の姿勢だったり、プロフェッショナル度だったりが判明するのかもしれない。