消費生活センターに寄せられたお墓の相談事例から

私たちの生活の中で、何かの購入時に伴う契約上の問題に直面することがあります。
 
そうした消費者の声の窓口となるのが、全国の地方自治体に設置されている700カ所ほどの「消費生活センター」。ここに寄せられた相談・不満の声を集計し、分析などにあたる国民生活センターに、お墓購入に関してのお話を聞きました。
 
2013年度の相談からいくつか事例を教えてもらいました。
 
事例①
永代供養墓を契約し、永代供養料40万円を支払った。ところが最近になって年間の管理料として別途4千円を請求された。これを毎年支払い続けるのか疑問だ。
 
事例②
墓地購入の仮契約をした。使用料、管理料、永代供養料を支払ったが、本契約前になり、墓石を指定業者から購入するよう言われた。仮契約前にそのような説明は受けていない。
 
事例①は、管理料の支払いについて後から請求されたという相談。事例②は指定業者にしか工事を依頼できないことの不満です。
 
どちらのケースも、事前に担当の石材店から説明があれば免れたトラブルのようです。
 
お墓の購入は一生に一度あるかないかのこと。一般の人がお墓に関してわからないことは多いものです。だからと言って、全面的に石材店に頼るのではなく、お墓の購入前に少しだけ知識を身につけておくことをお勧めします。
 
例えば、永代使用料や管理料、墓石代、その他お墓にかかる費用について。そして、原則、その霊園や墓地で決められた業者にしか墓石建立の依頼ができない、いわゆる「指定石材店制」については、事例のようなことにもなりかめないため、あらかじめ頭に入れておきたいポイントです。
 
事例③
10年ぐらい前に買った霊園から、墓石を建ててないことを理由に返せと言われている。霊園からは「墓石を早く建てて欲しい」と再三伝えてきた。また「墓石を建てない場合は、墓所を整地して返してもらうことになっている」と言われた。墓石を建てなかったのはお金がなかったからで、今すぐ建てるのは無理。
 
事例④
墓地を決めて永代使用料を払ったが、誰に払ったのかよく覚えていなくて、領収書も書面もない。その後、実際に墓石の値段を聞いてみたら200万円と言われ高いと思ったのでやめたい。
 
霊園・墓地ではそれぞれ使用規則があります。墓石建立に関しても、「墓地契約後3年以内に」など条件が設定されています。
事例③のように、「墓地は購入したいけど墓石を建てるのは何年後かに」と考えるなら、契約前に、墓石店へ年数の制限があるのかどうかを確認をしておきましょう。
 
そして、見積りや領収書を出さない事業者だったという事例④。その態度は問題ですが、もしそんな業者にあたったら、書面を出すように請求して下さい。
金額の差はありますが、お墓造りは、家を造るときと同じ感覚で進めます。家を建てるとき、見積りや領収書をもらわない人はいないのではないでしょうか。工事に関する契約書もしっかりと受取ります。
 
後からトラブルを招かないためにも、わからないことや不備があれば、躊躇することなくその場で石材店やお寺に確認を取りましょう。
 
自分にとって身近な故人を供養する、お墓。いろいろな契約条件を把握し納得した上で、気持ちよく購入していただくことを願っています。

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柿ノ木坂ケイ プロフィール

プロフィール

1964年生まれ。東京都立大学人文学部社会学科社会人類学専攻卒。タウン情報誌編集部を経てフリーライター。 3年前義母をなくし、お墓がない現実に直面。購入まで苦労したことがきっかけとなり、意外と知らなかったお墓について調べ、著書『間違いだらけのお墓選び』をまとめる。
現在、「明るくわかりやすくお墓を語る」をモットーに、消費者の立場から見た“お墓”についての講演や関連記事の執筆などで活動中。

【 著書 】

『間違いだらけのお墓選び-買ってわかったお墓事情あれこれ』
2005.11刊/情報センター出版局(1400円+税)

〔第1部:お墓購入ドタバタ体験記〕

年齢も趣味も違う家族が一つのものを買うのは大変なこと。
ましてやそれが“お墓”であればモメるのは当然?!著者と家族の笑える(?)お墓探しの日々を綴る。

〔第2部:お墓に関する49の基礎知識〕

誰もがいつかはお世話なるものなのに、よくわからないもの、それがお墓。その購入の実体験をもとに「これだけは知っておきたい」という知識をまとめた。イラストやフローチャート入りで“初心者”にも楽しくわかりやすく、お墓選びのツボを伝える。