お墓のアベノミクス?!

1月27日、冷蔵庫や洗濯機といった、いわゆる「白物家電」の2013年の国内出荷額が、前年比4,3%増となったことを日本電気工業会が発表しました。この数字は1997年以来、16年ぶりの高水準だとか。夏の猛暑、アベノミクスの効果、そして増税前の駆け込み需要が考えられるといいます。

周知の通り、今年4月から消費税が8%へと引き上げられます。高額なものほど以降の税金負担が増えることから、昨年は車やマイホームなどの販売も好調。

そんな中、「お墓」はというと、やはりそれなりに駆け込み需要はあるようです。墓石店にもよりますが、中には5百万円1千万円といった受注も耳にします。

お墓の値段には幅がありますが、例えば『いいお墓.com』が2012年12月に行ったアンケートでは、平均価格(永代使用料+墓石金額)は183.69万円。

ただし、あくまで平均値のため、全体を見ると各価格帯での割合が分散しています。

[ お墓の平均価格(永代使用料+墓石金額) ]

  •     100万円未満        14%
  •     100~150万円       21%
  •     150~200万円       31%
  •     200~250万円       17%
  •     250~300万円       12%
  •     300~400万円       3%
  •     400万円以上        2%
※いいお墓.comアンケート調査(2012.12)

前回調査(2012.07)と比較してみると、100万円未満が7%から14%になるとともに、200万円以上を合わせると24.1%から34%へ。低価格帯の購入が増加した一方、高額なものの割合も増えていることになります。

高価格であっても買い求める人がいるという点。第二次安倍政権が発足したのは2012年12月ということで、アベノミクス効果のほどは、今後の調査を待たなければというところ。

もうひとつ、購買の二極化というのは、昨今指摘される消費者のお買い物傾向が関連していることを感じています。

例えば白物家電の一つ、洗濯機。一般的な全自動タイプで2、3万円~、ドラム式で乾燥もできる上位機種で15万円以上するものもあります。その売れ筋商品をみると、低価格なものから高めのものまでランクインしています。「洗濯さえ出来れば」と低価格商品を選ぶ人もいれば、高いお金を出しても高機能商品が欲しいと考える人もいます。

お墓の場合、その金額は、永代使用料と墓石代のトータル費用になります。
墓石代は、比較的低価格な中国産から希少価値の高い国産石まで千差万別。また墓地・霊園の開発費、周辺の土地価格によっても価格差が生まれます。

全体の価格を抑えたいと考えるなら、郊外のなるべく狭い区画で建てることもできるし、「とことんこだわって良いものを」と、広い区画にブランド石をふんだんに使うこともできる。

お墓であっても他の商品と同じく、その選択は消費者自身がそのモノの価値をどう考えるかによって左右されます。景気や各お財布事情とは別に、そこが価格帯を決める大きな要素でもあるのです。

全体から見た割合は低いものの、お墓の高価格帯への需要には、アベノミクスによる景気の上向き機運だったり、増税前という時期もさることながら、「価値を認めたものにはお金をかける」という消費者のお買い物スタイルが反映されているのです。

>柿ノ木坂ケイの「ちょっと気になるお墓の話。」一覧へ戻る

柿ノ木坂ケイ プロフィール

プロフィール

1964年生まれ。東京都立大学人文学部社会学科社会人類学専攻卒。タウン情報誌編集部を経てフリーライター。 3年前義母をなくし、お墓がない現実に直面。購入まで苦労したことがきっかけとなり、意外と知らなかったお墓について調べ、著書『間違いだらけのお墓選び』をまとめる。
現在、「明るくわかりやすくお墓を語る」をモットーに、消費者の立場から見た“お墓”についての講演や関連記事の執筆などで活動中。

【 著書 】

『間違いだらけのお墓選び-買ってわかったお墓事情あれこれ』
2005.11刊/情報センター出版局(1400円+税)

〔第1部:お墓購入ドタバタ体験記〕

年齢も趣味も違う家族が一つのものを買うのは大変なこと。
ましてやそれが“お墓”であればモメるのは当然?!著者と家族の笑える(?)お墓探しの日々を綴る。

〔第2部:お墓に関する49の基礎知識〕

誰もがいつかはお世話なるものなのに、よくわからないもの、それがお墓。その購入の実体験をもとに「これだけは知っておきたい」という知識をまとめた。イラストやフローチャート入りで“初心者”にも楽しくわかりやすく、お墓選びのツボを伝える。