改葬の勘違い その1「遺骨は勝手に動かせない」

お墓の引越しを「改葬」といいますが、近年全国的に増えています。
その主な理由として以下の3つほどが挙げられます。

  1.     霊園・墓地が家から遠い
  2.     継承者がいない
  3.     お寺の檀家をやめたい

例えば、「田舎に代々のお墓があるけど自分たち夫婦も年を取ってお墓参りが負担になってきたから、現在の住まいの近くに移したい」というのが1.のケース。

これに加えて、「子供がいない」「娘一人しかいない」あるいは「子供に迷惑をかけたくない」と考えるケースが2.です。自分たちは継承者が不要の永代供養墓を生前購入し、お墓に入っていたご先祖様も同じところで供養する場合などが当てはまります。

ところで、この「改葬」に伴い、手続きが必要なことは意外と知られていないようです。

身内のどなたかをお墓へ納骨された経験はあるでしょうか?
故人を荼毘にふす(火葬する)ときには「火葬許可書」を提出、火葬後に印を押された「埋葬許可書」を納骨時に、墓地の管理者に提出したはずです。
それぞれの遺骨を他所へ移すときにも、役所への申請や書類上の手続きをすることが法律上決められているのです。

一般的な手順は以下のようになります。

■ 新しい墓所を用意/購入後、墓地管理者に(1)「受入証明書」を発行してもらう
■ 今までのお墓が所在する市町村役場から(2)「改葬許可申請書」を入手
■ 今までのお墓がある墓地管理者より「改葬許可申請書」へ署名・捺印をもらう
■ 今までのお墓が所在する市町村役場に(1)「受入証明書」 (2)「改葬許可申請書」を提出。(3)「改葬許可証」を発行してもらう
■ 今までのお墓がある墓地に(3)「改葬許可証」を提示。遺骨を取り出す
■ 新しい墓地へ納骨
なお、必要な書類や、書類名、手続きは役場ごとに異なるため、あらかじめ各市町村の戸籍課などへ確認をしておきます。書類はHPからダウンロードできるところが増えているようです。

また土葬であったり、地域の共同墓地の場合も手続きが求められます。共同墓地から移すには管理責任者を見つけて印鑑をもらわなくてはいけません。

改葬はそれなりの準備と時間を要するものなのです。

これから数回に分け、「改葬」の分かりにくい点や勘違いしやすい点についてみていきたいと思います。

改葬の勘違い その1「遺骨は勝手に動かせない」()

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柿ノ木坂ケイ プロフィール

プロフィール

1964年生まれ。東京都立大学人文学部社会学科社会人類学専攻卒。タウン情報誌編集部を経てフリーライター。 3年前義母をなくし、お墓がない現実に直面。購入まで苦労したことがきっかけとなり、意外と知らなかったお墓について調べ、著書『間違いだらけのお墓選び』をまとめる。
現在、「明るくわかりやすくお墓を語る」をモットーに、消費者の立場から見た“お墓”についての講演や関連記事の執筆などで活動中。

【 著書 】

『間違いだらけのお墓選び-買ってわかったお墓事情あれこれ』
2005.11刊/情報センター出版局(1400円+税)

〔第1部:お墓購入ドタバタ体験記〕

年齢も趣味も違う家族が一つのものを買うのは大変なこと。
ましてやそれが“お墓”であればモメるのは当然?!著者と家族の笑える(?)お墓探しの日々を綴る。

〔第2部:お墓に関する49の基礎知識〕

誰もがいつかはお世話なるものなのに、よくわからないもの、それがお墓。その購入の実体験をもとに「これだけは知っておきたい」という知識をまとめた。イラストやフローチャート入りで“初心者”にも楽しくわかりやすく、お墓選びのツボを伝える。