契約前にチェックしておきたい「使用規則」その2

先月、霊園・墓地の使用者と管理者が交わす契約約款「使用規則」をご紹介しました。両者の取り決めごとがまとめられています。
約款と言っても生命保険などのそれと違い、お墓の場合はたいてい紙1、2枚程度です。

使用規則に含まれる一般的な項目です。

  •     A.使用者資格の条件(国籍、宗教、法人や団体について)
  •     B.永代使用料・管理料の定義と支払いについて
  •     C.使用者の承継手続き
  •     D.使用権の取消しや消滅についての条件
  •     E.工事基準と制限など
  •     F.祭祀(さいし)者の同行について
  •     G.埋蔵・改葬の手続き
  •     H.墓石などの移設について
  •     I.墓地返還の際の条件と手続きについて

今回は、E.の項目から見ていきましょう。

例えば、東京都立霊園の芝生墓地では以下のような決まりがあります。
  •     墓碑の高さは60cm以内、幅及び奥行きは台石の範囲
  •     一墓所に一墓石の設置
  •     家名を表示する場合は、原則として使用者の家名を刻字
  •     生垣、土盛り、仕切り、囲障、植樹等はできない
  •     卒塔婆を置くことができない

こうしたお墓の形状や付属品について条件をチェックします。

また工事については、よく設置期限が定められているていることがあります。
ある民営霊園の使用規則から抜粋してみました。

    【工事基準と制限】
  •     使用者は墓地区画を明確にするために、墓地購入後1年以内に囲障(外柵)を施行するものとする
  •     墓地建立は墓地購入後3年以内とする
     ※各期限については霊園・墓地で異なります。

「とりあえず場所だけは確保しておいて後からお墓を建てよう」と考えているような場合は、どれくらい猶予期間があるのか確認しておきます。

また、F.では、お墓での納骨や年忌供養に、自分たちで選んだお坊さんなど宗教者を連れて来られるかどうかが書かれています。

民営霊園では「手続きが必要」、または「許可しない」ところに分かれます。使用者資格については「宗教宗派は問わない」となっていても、後者は、管理事務所が手配した宗教者だけしか立ち会いが認められないという意味になります。
その場合、お布施やお車代などの金額が独自に設定されているケースが多くなります。

使用規則について、公営霊園では募集要項などで見ることができます。一方、民営霊園や寺院墓地の場合、契約時に手渡されることがほとんどですが、大事なことが書かれていますから事前確認が賢明です。担当の石材店に「あらかじめ使用規則に目を通しておきたい」旨伝えます。

ところでお寺の敷地にある墓地、いわゆる寺墓地の一部では規則を明文化していないことがあります。・・・「ルールはご住職の胸三寸」というわけです。

その場合は使用上の決まりについて、ご住職から直接話を聞いてみることです。
そこを買い求めることになれば長いお付き合いになりますから、そのお人柄を知る上でも一度はお会いしておくことをお勧めします。

契約前にチェックしておきたい「使用規則」その2()

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柿ノ木坂ケイ プロフィール

プロフィール

1964年生まれ。東京都立大学人文学部社会学科社会人類学専攻卒。タウン情報誌編集部を経てフリーライター。 3年前義母をなくし、お墓がない現実に直面。購入まで苦労したことがきっかけとなり、意外と知らなかったお墓について調べ、著書『間違いだらけのお墓選び』をまとめる。
現在、「明るくわかりやすくお墓を語る」をモットーに、消費者の立場から見た“お墓”についての講演や関連記事の執筆などで活動中。

【 著書 】

『間違いだらけのお墓選び-買ってわかったお墓事情あれこれ』
2005.11刊/情報センター出版局(1400円+税)

〔第1部:お墓購入ドタバタ体験記〕

年齢も趣味も違う家族が一つのものを買うのは大変なこと。
ましてやそれが“お墓”であればモメるのは当然?!著者と家族の笑える(?)お墓探しの日々を綴る。

〔第2部:お墓に関する49の基礎知識〕

誰もがいつかはお世話なるものなのに、よくわからないもの、それがお墓。その購入の実体験をもとに「これだけは知っておきたい」という知識をまとめた。イラストやフローチャート入りで“初心者”にも楽しくわかりやすく、お墓選びのツボを伝える。