和型、洋型。あなたはどっち?

お彼岸の頃は、1年のうちでもお墓が売れるといいます。
外出するにはちょうどいい気候ですし、何よりご先祖様に思いを寄せる時期だからなのかもしれません。

そのためかどうか、今年も秋のお彼岸前後は霊園の広告が普段より多かったように思います。
見学を経て、早速墓所を契約された方もいらっしゃることでしょう。

ところで、お墓のオーダーで最初に決める〝形〟。皆さんはどのように選択されるでしょうか。

今の主流でいいますと、お墓には石塔の形から、大きく分けて「和型」と「洋型」、その他フリー設計の「デザイン型」があります。

「和型」はお馴染みの3段型のお墓です。一番上の竿石は、タテ長の角柱です。

和型の形状は、「中世に造られた、梵字を刻んだ供養塔=板碑からきている」「位牌を模している」などの説がありますが、その大元は仏教の創始者、釈迦の遺骨を祀ったお墓(ストゥーパ)と考えられています。

〝オルガン型〟とも呼ばれる「洋型」は、竿石をヨコ長にしたタイプで、和型を変形したものです。

もし和型か洋型か悩んだら、どのような基準から決めればいいでしょう?

まずは、そのお墓を建てる霊園や墓地の雰囲気から考えてみます。
実際にその場にお墓が建っているところをイメージしてみて、より調和が感じられる形を選ぶという方法です。

今年は東日本大震災があり、お墓を建てる時には、こうした自然災害も気になるところです。
地盤自体がやられてしまうとどうしようもありませんが、形から地震対策を考えてみると、重心の低い洋型に軍配が上がりそうです。

また、普段からお寺とのお付き合いを大事にされている家はやはり、〝これぞ日本のお墓〟和型でしょうか。
「南無妙法蓮華経」「倶會一處」などのお題目が、タテ長の竿石にしっくりきます。

一方、洋型の方は、正面に「○○家」ではなく、「絆」「心」「まごころ」などの文字を入れても違和感がありません。ですから、例えば次の代が娘一人で、名字が変わってしまう可能性が考えられるような場合に適していると言えそうです。

判断材料はいくつかありますが、できれば一人ではなく、ご家族で話し合いながら、どんなお墓を建てるのか決めていくことをお勧めします。

息子さんや娘さんも一緒に、「墓石の形」「使う石の種類」などについてあれこれ意見を出し合って。

人生に一度あるかどうかの買い物ですから、ただ坦々と進めるのではなく、そんなことも含めた過程を楽しんでしまいましょう。

和型、洋型。あなたはどっち?()

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柿ノ木坂ケイ プロフィール

プロフィール

1964年生まれ。東京都立大学人文学部社会学科社会人類学専攻卒。タウン情報誌編集部を経てフリーライター。 3年前義母をなくし、お墓がない現実に直面。購入まで苦労したことがきっかけとなり、意外と知らなかったお墓について調べ、著書『間違いだらけのお墓選び』をまとめる。
現在、「明るくわかりやすくお墓を語る」をモットーに、消費者の立場から見た“お墓”についての講演や関連記事の執筆などで活動中。

【 著書 】

『間違いだらけのお墓選び-買ってわかったお墓事情あれこれ』
2005.11刊/情報センター出版局(1400円+税)

〔第1部:お墓購入ドタバタ体験記〕

年齢も趣味も違う家族が一つのものを買うのは大変なこと。
ましてやそれが“お墓”であればモメるのは当然?!著者と家族の笑える(?)お墓探しの日々を綴る。

〔第2部:お墓に関する49の基礎知識〕

誰もがいつかはお世話なるものなのに、よくわからないもの、それがお墓。その購入の実体験をもとに「これだけは知っておきたい」という知識をまとめた。イラストやフローチャート入りで“初心者”にも楽しくわかりやすく、お墓選びのツボを伝える。