被災地の石で応援!

福島県や岩手県のアンテナショップの売り上げが、震災前の約3倍に伸びているといいます。
「被災地の産物を買って、少しでも復興に貢献を」と考える人が多いようです。

まさかお墓はと思っていましたが、ある墓石店では「支援につながるよう、福島県の石でつくりたい」というお客さんがいたそうです。

「困っている人のために」買い物をするって、すごいことです。

そこで今回は、そんな敬服すべき方々の一助にもと、被災地が産地となっている石の一部をご紹介させていただきます。

伊達冠石【宮城県】

:阿武隈山地、大蔵山で採れる安山岩です。
通称“泥かむり”と呼ばれるように、原石の周りは黄土色で、見た目はまるできな粉をまぶしたようです。ところが、中身の石を磨くと灰黒色に輝き、磨きをかけないか外側の部分との色のコントラストを楽しむことができます。
また、2~3年太陽光線を浴びると石の鉄分が酸化し、光沢を保ったまま次第にさび色を帯びてきます。通常、墓石からさびが出ることは嫌われますが、経年変化に価値を認められる数少ないタイプといえます。
採れる場所によって、丸玉状のものから柱状のものなど形状がさまざま、模様が入っているものあるこの石は彫刻家にも人気があり、東京フォーラムやみなとみらい21(横浜)のオブジェとして使用されています。

姫神小桜石【岩手県】

:玉山村の姫神山から採掘される、ほんのり桜色の花崗岩。
玉山村は石川啄木の生誕地です。
歌集『一握の砂』に詠まれた一首

    「ふるさとの 山に向かひて 言うことなし
    ふるさとの山は ありがたきかな」

の「ふるさとの山」は玉山村から西に望む岩手山、姫神山は東に位置するといいます。
地元で愛され、霊山として信仰されてきた山から産出されるこの石は、その風土にも合い、主に地元を中心に出荷されているといいますが、記念碑や彫刻の素材としても広く使われています。

真壁石【茨城県】

:茨城県西部の常陸三山(筑波、加波、足尾)で採れる花崗岩です。石目が細かい小目はやや青みが強く、中目はグレー系で、サビなどの変色が少ないと言われています。
現在は磨き仕上げが多いようですが、金槌で叩きつける「ビシャン仕上げ」や小割りしたでこぼこを生かす「コブ出し仕上げ」などで味わいを出せます。
約500年前から五輪塔、墓石として利用され、明治時代には迎賓館造営に使われました。皇居の縁石や三越本店のライオン像台座でも見ることができます。

深山ふぶき【福島県】

:田村市船引町で採掘される花崗岩。
濃い青みの中に、白い長石が吹雪が舞うように入っていることから、このような名前が付けられました。その石質や色彩は、国内外の石に見られない希少価値があるといいます。
埋蔵量もまだまだ豊富です。
全体的には濃いめのグレーになるため、外柵や石塔どちらかに使うことで他の石とのコントラストが生まれます。
石は長尺ものも採れることから、福島空港や三春ダムにも使用されています。

福島県は全国的に見ても、多種多様な石が採れる場所で、銘石と呼ばれる石材も数多くあります。

福島原子力発電所から20キロ圏内に含まれる採石場はありませんが、現在はその日に測定される放射線量も視野に入れつつ、各現場で働かれている状況だといいます。

一日も早い原発の安定化、安心して生活できる環境の回復を願ってやみません。

※「花崗岩」「安山岩」
どちらも、岩石の分類では火成岩(マグマが冷却、固結してできた岩石)に含まれます。
「花崗岩」は一般的に粒が大きく、色は白・淡紅・淡灰などで、産出量が多く、建築などにも使われます。通称「御影石」とも呼ばれています。「安山岩」は日本各地で産出され、花崗岩に次いで墓石として利用されています。

被災地の石で応援!()
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伊達冠石【宮城県】

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姫神小桜石【岩手県】

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真壁石【茨城県】

被災地の石で応援!()

深山ふぶき【福島県】

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柿ノ木坂ケイ プロフィール

プロフィール

1964年生まれ。東京都立大学人文学部社会学科社会人類学専攻卒。タウン情報誌編集部を経てフリーライター。 3年前義母をなくし、お墓がない現実に直面。購入まで苦労したことがきっかけとなり、意外と知らなかったお墓について調べ、著書『間違いだらけのお墓選び』をまとめる。
現在、「明るくわかりやすくお墓を語る」をモットーに、消費者の立場から見た“お墓”についての講演や関連記事の執筆などで活動中。

【 著書 】

『間違いだらけのお墓選び-買ってわかったお墓事情あれこれ』
2005.11刊/情報センター出版局(1400円+税)

〔第1部:お墓購入ドタバタ体験記〕

年齢も趣味も違う家族が一つのものを買うのは大変なこと。
ましてやそれが“お墓”であればモメるのは当然?!著者と家族の笑える(?)お墓探しの日々を綴る。

〔第2部:お墓に関する49の基礎知識〕

誰もがいつかはお世話なるものなのに、よくわからないもの、それがお墓。その購入の実体験をもとに「これだけは知っておきたい」という知識をまとめた。イラストやフローチャート入りで“初心者”にも楽しくわかりやすく、お墓選びのツボを伝える。