伝えるチカラ

2010年10月、米経済誌フォーブス(電子版)が、09年10月からの1年間で死後、稼いだ著名人ランキング「故人セレブ長者番付け」を発表しました。
第1位は09年6月に亡くなったマイケル・ジャクソン。
稼いだその額は2億7500万ドル(約222億円)で、2位以下12人の合計収入額より上回っています。
映画『THIS IS IT』の観客動員や音楽CDの売り上げが好調だったことが理由として上げられています。

日本でも、マイケル・ジャクソンの死後、関連本が出版されたり、「遺品展」や追悼イベントが開催されました。2010年12月15日には、未発表新曲10曲を収録したニューアルバム『MICHAEL』がリリースされています。

そんな現在にも及ぶ人気を支えているのは、今までマイケルの楽曲や踊りに触れることがなかった10代20代の若者。そして、死後、マイケルを取り上げた報道を目にして彼を見直した人々のようです。

子供への性的虐待疑惑(93年の訴訟はその後和解。03年の訴訟は無罪判決)。その犯行現場とされていた「ネバーランド」と呼ばれる自宅は、遊園地付きでゾウ、ニシキヘビ、チンパンジーを飼っている。「白人になりたくて皮膚を白くしている(実際は、肌の色素が薄くなる尋常性白斑症という皮膚病だった)」。
訴えられた後は、ミュージシャンとしてより「奇行」面ばかりが報じられていましたが、亡くなってからは音楽面での功績やそのメッセージがクローズアップされた結果、再評価する人が増えたのです。

マイケルジャクソンが亡くなってまもなく、日本でも彼のCD売り上げがトップ10入りしました。そのニュースを伝えたあるラジオ番組で、歌手の和田アキ子さんが、「なんで死んでから売れるんやろ」と寂しそうにつぶやいていました。

スターというのは、特別な何かを持って輝いている人たち。はたから見ると華やかに見えても、他の人とは〝違う〟が故の孤独を感じているのではないでしょうか。
また、プロとしての意識が高い人ほど、作品のクオリティとともに結果を出すことにこだわります。世の中が自分の仕事を認めてくれたという証しを求めるもの。
映画・コンサートへの動員数、CDやDVDの売り上げは、アーティストを支える一つの要素でもあるはずです。

生前もマイケルは充分に「セレブ」でした。世間でなんやかやと言われてもヒット曲は出ていたし、アルバムは売れました。
けれど、裁判をかかえ、いわれなきバッシングを受けた不遇な時を経て予定されていた、13年ぶりとなる本格的なコンサートへの、人々のダイレクトな反響、盛り上がりを彼自身に体感して欲しかった。

歌手、アーティスト、作家。有名人になればなるほど噂はつきものだけど、まずはその成果である歌や作品で評価しよう。
そして「いい」と思ったらコンサートに行く、本を書う。同じ時代を生きている者として、そんな風に自分の気持ちを伝え応援していこう。
新しい年を迎え、そんなことを思うのです。

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柿ノ木坂ケイ プロフィール

プロフィール

1964年生まれ。東京都立大学人文学部社会学科社会人類学専攻卒。タウン情報誌編集部を経てフリーライター。 3年前義母をなくし、お墓がない現実に直面。購入まで苦労したことがきっかけとなり、意外と知らなかったお墓について調べ、著書『間違いだらけのお墓選び』をまとめる。
現在、「明るくわかりやすくお墓を語る」をモットーに、消費者の立場から見た“お墓”についての講演や関連記事の執筆などで活動中。

【 著書 】

『間違いだらけのお墓選び-買ってわかったお墓事情あれこれ』
2005.11刊/情報センター出版局(1400円+税)

〔第1部:お墓購入ドタバタ体験記〕

年齢も趣味も違う家族が一つのものを買うのは大変なこと。
ましてやそれが“お墓”であればモメるのは当然?!著者と家族の笑える(?)お墓探しの日々を綴る。

〔第2部:お墓に関する49の基礎知識〕

誰もがいつかはお世話なるものなのに、よくわからないもの、それがお墓。その購入の実体験をもとに「これだけは知っておきたい」という知識をまとめた。イラストやフローチャート入りで“初心者”にも楽しくわかりやすく、お墓選びのツボを伝える。