お葬式とエコ

スーパー銭湯に出掛けることになり、ふと夫を見ると、まだ未使用だったエコバッグの封を開け着替えを詰めているところだった。・・・人それぞれ使い道があるようだ。

ウチには役所や企業からもらった袋が3つほどある。「エコバッグ」「マイバッグ」は、ご存知のようにレジ袋をなるべく使わないため買い物などに持参する袋のこと。つい忘れてしまうこともあって、スーパーによっては袋代5円を払うはめとなり悔しい思いをする。

環境省の調べでは、08年11月時点で都道府県の約8割、市町村の約4割がレジ袋削減の取組みをしているという。またレジ袋の有料化を主体的に実施している自治体は、3県245市町村区。
有料化により、レジ袋辞退率が28%から87%にまで増えた例もあるとか。
「環境のために」と積極的に参加する人もいるけれど、現実にお金がかかることからエコバッグを持つ人も多いことがうかがえる。

一方、人間が生活していく上で排出する二酸化炭素などの温室効果ガスを、削減活動に投資することで相殺しようという考え方もある。「カーボン・オフセット」は欧米でその活動が盛んだけど、日本でも売り上げの一部や加算された分を植林などの費用にあてる商品やサービスが提供されている。

そんな環境保護のシステムを、お葬式にも適用しようという動きがある。葬儀や火葬で発生したと思われるCO2排出量分を植樹運動に役立てる活動を始めたのは、NPO法人「エコ人権葬推進機構」。
生前契約を請け負う民間組織としては草分け的存在のNPO法人「りすシステム」が昨年設立した。

エコ人権葬推進機構のHPには、「CO2排出量計算シート」なるものがある。まずそこに葬儀の概要を入力する。参列者の人数、遺体の保管方法、移動手段、火葬場の燃料、棺の種類などなど。
例えば、「1体の火葬に使われる灯油は60L、電力なら120kwh」といった独自に設定した基準値から、それぞれの葬儀のCO2排出量が算出される。これをCO2の国際取引価格を参考に換算された金額が、「地球に恩返し基金」として森林保護に使われるという。

このNPOでは、寄付金以外にも、火葬時にCO2を排出する副葬品を棺に入れないことや、低燃費の霊柩車使用を呼びかけている。

こうした仕組みを葬儀に適用したこと、環境問題と結びつけたことは新しい試みとなる。

お葬式といえば、死者を送る儀式。そこに「地球環境に負荷をかけること」という概念は入り込めるだろうか。

先にあげたカーボン・オフセット商品として昨年末、初めて売り出された年賀はがき。価格55円のうち5円分が地球温暖化防止を推進するプロジェクトに用いられるという。しかし、宣伝不足もあってか、用意された1億枚のうち約1400万枚しか売れなかったとか。

この1例だけではわからないが、寄付金を上乗せして支払うタイプのこの商品の売り上げは伸び悩んだという事実がある。

「環境に配慮したお葬式」「死をもって自然に貢献する」という提案には惹きつけられるものがある。実際そこに賛同する人はどれくらいになるのか。寄付金は集まるのか。これからも注目していきたい。

お葬式とエコ()

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柿ノ木坂ケイ プロフィール

プロフィール

1964年生まれ。東京都立大学人文学部社会学科社会人類学専攻卒。タウン情報誌編集部を経てフリーライター。 3年前義母をなくし、お墓がない現実に直面。購入まで苦労したことがきっかけとなり、意外と知らなかったお墓について調べ、著書『間違いだらけのお墓選び』をまとめる。
現在、「明るくわかりやすくお墓を語る」をモットーに、消費者の立場から見た“お墓”についての講演や関連記事の執筆などで活動中。

【 著書 】

『間違いだらけのお墓選び-買ってわかったお墓事情あれこれ』
2005.11刊/情報センター出版局(1400円+税)

〔第1部:お墓購入ドタバタ体験記〕

年齢も趣味も違う家族が一つのものを買うのは大変なこと。
ましてやそれが“お墓”であればモメるのは当然?!著者と家族の笑える(?)お墓探しの日々を綴る。

〔第2部:お墓に関する49の基礎知識〕

誰もがいつかはお世話なるものなのに、よくわからないもの、それがお墓。その購入の実体験をもとに「これだけは知っておきたい」という知識をまとめた。イラストやフローチャート入りで“初心者”にも楽しくわかりやすく、お墓選びのツボを伝える。