青い目の神主さんに聞く その2. ~儀式のパワー?~

神主のケイトリンさんを訪ねたのは、ちょうど浅川神社が毎月行なっている例大祭の日だった。朝から矢のような雨が降りしきる中、しかも道を間違えたりしてその直前にたどり着いた、ドロドロの私。
そこにスラっとした容姿に袴姿、髪を後ろで束ねて凛としたケイトリンさんがあらわれ、朗らかに迎えてくれた。

すぐに例大祭が始まった。もう一人の男性神主さんが祝詞を挙げた後、ケイトリンさんは、さまざまな供物のある場所から神前へと、軽やかな動きを繰り返していた。

式が終わった後、参加者の会食となり、そこでお話を聞いたのだった。


―今日のセレモニーは神主2人でやりましたが、本宮でやる時は8人。作法が完ペキに出来て、たくさんの人がタイミングぴったりで動くとダンスみたいで本当に綺麗です。
最近“よさこい”がブームになっていますが、「皆と一つになってやる」「美しいものをつくる」っていうのは、何かすごく気持ちがいいんですよ。

―以前は「頭で考えて行動する」というパターンでしたが、神道の儀式っていうのは身体で覚えるしかないというか。考えていると体が間に合わないんですね。それで、「身体で覚える」「気持ちで感じる」ということが初めてわかったんです。

―神道で儀式というのは、非常に大切にされています。基本的には最初に場所を清めて、神様にお供物を捧げて感謝すると同時にいろいろなお願いもするんですけど、それを体で体験することによって気持ちも変わるんですね。
そして、「儀式を通して気持ちをあらわす」「神様の前でお願いする」っていうことは、その人の意志も強まることだと思うんです。

そういう意味で、“儀式”はとてもパワフルでもあると思っています。

ところで、今、日本では亡くなった方を送る「お葬式」を簡略化したり、省いたりする傾向がありますが?

―わたしは儀式をいろんなカタチに持っていきたいと思っているんですよ。例えば“離婚式”。例えば“更年期式”とか。
わたしの両親は離婚していまして、その後、特に母に対してすごくブロックしていた。20年ぐらい。最近やっと、そういうところから立ち直ったんですけど。
でもあの時に儀式をやっておけば、自分自身も、もうちょっと気持ちが整理されたんじゃないかと思うんですね。
ちゃんとピリオド打たないと進めないんですよ。人間って。

先ごろあった、小朝と泰葉のツーショット離婚会見を思い出した。「好きだけど別れる」というあたりは不可解ではあったけど、あれはあれで有名人ならではの、次の歩みを始めるための一種の“儀式”だったかと合点がいった。

ケイトリンさんには、神主になるきっかけとなった金比羅祭(香川)での不思議な体験や、オーストラリアの葬送事情なども伺いましたが、そちらはまたの機会にご紹介させていただきます。

青い目の神主さんに聞く その2. ~儀式のパワー?~()

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柿ノ木坂ケイ プロフィール

プロフィール

1964年生まれ。東京都立大学人文学部社会学科社会人類学専攻卒。タウン情報誌編集部を経てフリーライター。 3年前義母をなくし、お墓がない現実に直面。購入まで苦労したことがきっかけとなり、意外と知らなかったお墓について調べ、著書『間違いだらけのお墓選び』をまとめる。
現在、「明るくわかりやすくお墓を語る」をモットーに、消費者の立場から見た“お墓”についての講演や関連記事の執筆などで活動中。

【 著書 】

『間違いだらけのお墓選び-買ってわかったお墓事情あれこれ』
2005.11刊/情報センター出版局(1400円+税)

〔第1部:お墓購入ドタバタ体験記〕

年齢も趣味も違う家族が一つのものを買うのは大変なこと。
ましてやそれが“お墓”であればモメるのは当然?!著者と家族の笑える(?)お墓探しの日々を綴る。

〔第2部:お墓に関する49の基礎知識〕

誰もがいつかはお世話なるものなのに、よくわからないもの、それがお墓。その購入の実体験をもとに「これだけは知っておきたい」という知識をまとめた。イラストやフローチャート入りで“初心者”にも楽しくわかりやすく、お墓選びのツボを伝える。