地震に強いお墓とは?

今年は大きな地震が発生した。
マグニチュード6強となった能登半島地震(3月)、新潟県中越沖地震(7月)。被災した人々の様子、亀裂の入った道路や倒壊した家屋を見聞きするにつけ胸が痛む。

石材店のHPで最近、墓石の耐震グッズを見かけることが多くなった。
土台と棹石をつなぐステンレス棒や石用の接着剤、石のつなぎ目に入れるゲル状シート。
いったいどれがいいのだろう?
2005年にこれら墓石用の耐震積層ゴムや粘着シート、ゲル、金具などを使って振動実験を行っている、日本石材産業協会の事務局長杉本さんに話しを伺ってみた。

―「こうした地震対策の商品は4、5年前から種類が出始めました。どれがいいかは一長一短です。その地域の地盤やお墓の形状に合っているかどうか石屋さんとよく相談することが大切です」

もうちょっとヒントをいただけるでしょうか。
―「近年の傾向としては、『耐震型』~揺れに対して強固に、に対して『免震型』~揺れを吸収する、という考え方の商品が開発されています。
高層ビルの建築方法をお墓も取り入れているかと思います。
石を固定するタイプの耐震型と、ゲルなどの免震型を組み合わせるのがいいとは思いますが、ある程度効果はあっても絶対ということではありません」
例えば、石塔が大丈夫でも、周りにある外柵や墓誌、灯篭が倒れて本体を傷つけることもあるという。
また、最近出たばかりの地震対策商品はそれなりの実験データはあっても、現場での実績年数が少なく経年劣化の不安を指摘する。

それでは、これからお墓を建てようという場合、何に気をつければいいのだろう?
―「お墓造りの基本ですが、基礎工事からキチンとやることです。和型の墓石であれば、1㎡でも1トンにはなります。沈まないような土台造りは大切です。家造りと同じですよ」

やはり上モノだけじゃなく、それを支える部分も大事なのだ。
お墓本体の下に位置する「カロート」(納骨室)は通常、コンクリート製。どのように造るのか、都内の石材店に聞いてみた。
「ウチは小規模なので、専門業者に頼みます。
カロートは鉄筋を入れるか入れないか、その入れ方や何本入れるかなどによって強度が違ってきます。鉄筋が極端に少ない業者は、断りますよ。職人のプライドがありますから」
どうやら業者もいろいろらしい。

再び、日本石材産業協会杉本さんのお話。
―「地震の起こった位置や深さ、地震波によって同じ霊園、同じ施工でも被害の有無が出てきます。基礎工事や墓石に施す対応商品だけでは限界があるというのが現状です」

「それでも、地震に強いお墓をと考えるなら、結局、いかに仕事全般に対して真面目に取り組んでいる石屋さんを探すか、でしょうね。実際、施工するのは石屋さんですから」

「見積書、設計図はどうか。基礎や外柵造り、石塔を組んでいる時の写真を提供しているかどうか。アフターサービスをしているか。このような点から信用のおけるところは、施工においても間違いなくやってくれると思います」

地震に強いお墓を建てるには、信頼関係を築ける石材店選びが肝心と言えそうだ。

地震に強いお墓とは?()

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柿ノ木坂ケイ プロフィール

プロフィール

1964年生まれ。東京都立大学人文学部社会学科社会人類学専攻卒。タウン情報誌編集部を経てフリーライター。 3年前義母をなくし、お墓がない現実に直面。購入まで苦労したことがきっかけとなり、意外と知らなかったお墓について調べ、著書『間違いだらけのお墓選び』をまとめる。
現在、「明るくわかりやすくお墓を語る」をモットーに、消費者の立場から見た“お墓”についての講演や関連記事の執筆などで活動中。

【 著書 】

『間違いだらけのお墓選び-買ってわかったお墓事情あれこれ』
2005.11刊/情報センター出版局(1400円+税)

〔第1部:お墓購入ドタバタ体験記〕

年齢も趣味も違う家族が一つのものを買うのは大変なこと。
ましてやそれが“お墓”であればモメるのは当然?!著者と家族の笑える(?)お墓探しの日々を綴る。

〔第2部:お墓に関する49の基礎知識〕

誰もがいつかはお世話なるものなのに、よくわからないもの、それがお墓。その購入の実体験をもとに「これだけは知っておきたい」という知識をまとめた。イラストやフローチャート入りで“初心者”にも楽しくわかりやすく、お墓選びのツボを伝える。