〝樹木葬〟といっても、いろいろなんです

〝樹木葬〟といっても、いろいろなんです
 
「いいお墓.com」のグループサイト「樹木葬なび」で紹介されている樹木葬墓地は現在、約80カ所ほど。墓地・霊園の全体数からすれば決して多いとは言えませんが、それでも樹木葬は着実にその数を増やしています。
 
ところで、ひと言で〝樹木葬〟といっても、一人一人の持つイメージは少しずつ違ってくるようです。
 
1999年に日本で最初に樹木葬墓地を始めたのは、岩手県一関市の祥雲寺というお寺(現在・知勝院)でした。お寺の敷地である里山全体を再生させるという主旨を持つ墓地でした。
 
コンセプトは「花に生まれ変わる仏たち」。遺骨の埋蔵地点にヤマツツジやウメモドキなどの花木を植えるという樹木葬です。
 
それから約15年。樹木葬が日本各地に拡がるにつれ、その形態にもいろいろなバリエーションがみられるようになりました。
以下のポイントから見てみます。
 
〔樹木葬の形態①立地・環境〕
 
わかりやすいところでいえば、まずは立地と周辺の環境です。
岩手県での最初の樹木葬は、いわば一つの山を墓所とした自然密着型でしたが、同じような環境をどこでも用意できるとは限りません。
現在では、樹木葬は一般的な霊園の一角に設けられていることもあります。また、交通の便利な都市型霊園、あるいは寺墓地のごく限られたスペースに、シンボルツリーとなる花木を植えたタイプもみられます。
 
〔樹木葬の形態②埋蔵・納骨スタイル〕
 
樹木葬の元祖ともいえる知勝院では、一般的な石のお墓には設置されているコンクリート製などの納骨室(カロート)は設けず、遺骨は骨壺から出して、土中に直接埋蔵される方法を取りました。
現在、他の樹木葬墓地では遺骨を布の袋に入れたり、紙の筒に入れるところもあります。
また、カロートを造り、骨壺で納めるところも出ています。
 
〔樹木葬の形態③個別型・合葬型〕
 
樹木葬には、個別の区画が決められているところと、都立小平霊園の樹林墓地のように一カ所に不特定多数の遺骨を埋葬する合葬型などがあります。
また、知勝院では「人工物は設けない」という考えから、名前などを記す墓碑なども一切つくりませんが、他の樹木葬墓地では個別の区画に墓碑を設けたり、合同埋葬の樹木葬で埋葬された故人の名前をまとめて記したプレートなどをつくるケースもあります。
 
 
このように多様化する樹木葬を選択する際は、自分の大切にしたいポイントをはっきりさせておくといいでしょう。
 
「死んだら木の下に眠り、その木を育てたい」と考えるなら、すぐに土に還りやすい「カロートなしで骨壺埋葬ではない」樹木葬を探してみる。
また合同の場所ではなく、個別にお参りしたいと考えるならその区画が設けられたタイプを。
あるいは、お墓参りの利便性を第一に考えるなら、交通便利な都市型タイプの狭い敷地の樹木葬も視野に入ってくるでしょう。
 
「樹木葬になにを求めるか」を明確にすることによって、より自分たちに適した選択につながるはずです。
 

柿ノ木坂ケイ
 

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柿ノ木坂ケイ プロフィール

プロフィール

1964年生まれ。東京都立大学人文学部社会学科社会人類学専攻卒。タウン情報誌編集部を経てフリーライター。 3年前義母をなくし、お墓がない現実に直面。購入まで苦労したことがきっかけとなり、意外と知らなかったお墓について調べ、著書『間違いだらけのお墓選び』をまとめる。
現在、「明るくわかりやすくお墓を語る」をモットーに、消費者の立場から見た“お墓”についての講演や関連記事の執筆などで活動中。

【 著書 】

『間違いだらけのお墓選び-買ってわかったお墓事情あれこれ』
2005.11刊/情報センター出版局(1400円+税)

〔第1部:お墓購入ドタバタ体験記〕

年齢も趣味も違う家族が一つのものを買うのは大変なこと。
ましてやそれが“お墓”であればモメるのは当然?!著者と家族の笑える(?)お墓探しの日々を綴る。

〔第2部:お墓に関する49の基礎知識〕

誰もがいつかはお世話なるものなのに、よくわからないもの、それがお墓。その購入の実体験をもとに「これだけは知っておきたい」という知識をまとめた。イラストやフローチャート入りで“初心者”にも楽しくわかりやすく、お墓選びのツボを伝える。