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お墓博士として著名な横田睦先生がご相談にお答えします

ご相談

家には先祖代々からの菩提寺があり、そこの檀家として境内に墓地もあるのですが、思うところがあり、別の宗派に改宗しました。私はこれまでの墓地を使うことができなくなるのでしようか。

答え

使うことは出来ます。ただし、あなたが改宗なさった新しい宗派の儀式によって、お骨をおさめることは出来ません。その時の儀式はあくまで、お墓のある(かつての)菩提寺のご住職によって行われることになります。

ご質問のような問題はこれまでも、度々、裁判の場で争われてきました。そうした判例の積み重ねに基づけば、このような判断がなされることが妥当でしょう。ただ、この判例は「先祖代々からのお墓」ということが前提となっている点に注意して下さい。檀家にはならない、なりたくない、という人の使用申し込みを拒否することについて、何ら問題はないことは申すまでもなく、檀家になることが条件なのを承知した上で、新しくお墓を求めながら、その本人が突然、後日になって「別の宗派に改宗しました」と主張した場合などは、当然、ここでの回答とは、また別の判断がなされることとなるでしょう。

このご質問に限らず、お寺の境内墓地の場合、当然のことですが「『お墓を使う』ということは、常に直ちに、『檀家である』ことと背中合わせになっている」ということについてだけは、くれぐれもご承知置いて下さい。

関連法規・判例

「墓地、埋葬等に関する法律」
第13条;墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵又は火葬の求めを受けたときは、正当な理由がなければこれを拒んではならない。

「津地裁判例」(昭和38年 6月21日)
〈争点〉寺院は自派の典礼施行を拒む墳墓所有者の埋蔵の依頼を拒否することが出来るか。〈結論〉拒否出来る。
〈理由〉先祖からの墳墓を所有する者から、埋蔵の依頼がなされた場合、その墳墓がある境内墓地の寺院は、所有者が離檀して異宗徒になったことを理由として、埋蔵を拒否するこ とは出来ないが、異宗の典礼を施行、もしくは無典礼で埋蔵することを条件とした依頼に対しては、自派の典礼施行の権利が害されるという理由をもって拒むことが出来る]


ご相談

お寺の境内の一角にお墓を建てるための区画を手当しました。すると、お寺からは、やれ「卒塔婆料」「御供物」「御施餓鬼」だと、口実を設けては何かにつけてお金を要求してきます。まだ、お墓は建てていないというのに、どうも納得が行きません。

答え

一口に「お墓を求める」と言っても、公営墓地と、民営墓地があり、また同じ民営墓地でも、檀家にならなくても良い(いわゆる「宗旨・宗派を問わない」)墓地と、お寺の境内墓地の様に檀家になる必要があるものなど、各々のケースに分けて考えなくてはならないことが少なくなりません。この御質問もそうした一つです。

ご質問の方がお墓を求めるにあたっては、檀家になることが条件とされていたはずです。つまり、このお墓の場合は、その権利を得たと共に、お寺の檀家になったのですから、お墓を建てている、いないにかかわらず、檀家としての義務、即ち、お寺を護持してゆかねばならない立場になったことになります。

ですから、「卒塔婆料」「御供物」「御施餓鬼」などについては、お寺の維持、運営に必要なものである以上、基本的には、檀家として応えなくてはならない「御務め」であるということを理解して下さい。

無論、「檀家である以上、お寺の言うことに対しては、どんなことでも応えなくてはならない」というものではありません。しかし、こうした御質問をされる方の多くの場合、御自身が「檀家」であるという自覚が、あまりに乏しいように見受けられます。


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